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中野中
2021年9月7日 17:00
『───で、おやすみ。って言って、それで…』 そこで音声はプツという音を立てて静かになった。 耳を澄ますと「サー」というホワイトノイズが聞こえる。 突然、ガチャリとラジカセが鳴ると、今度こそ本当に静かになった。 二階の六畳間で、向かい合うように座っていた正志と茂道は、そのままラジカセをしばらく見つめていた。「ほら、やっぱりこんなもんじゃないっすか」 ふてくされたように茂道が