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#0159【歴史を学び、戦国を終わらす(徳川家康②、天下人)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
今週は、日本の戦国の三英傑を再度取り上げていますが、最後は徳川家康です。

<2017年に取り上げた際の小話>
#0009 【徳川家康】https://goo.gl/fRGw5B

前回は家康の人生を駆け足で紹介した内容になりました。今回は彼の人となりに注目したいと思います。

筆者は、徳川家康の行動には「再現性」があると考えており、人生の手本としています。

他の三英傑、信長と秀吉は天才型です。誰かから学んだというよりも自ら実戦・実地の中で法則を見出し、それを活用しながら自己実現を図ることができた人物です。

一方の家康も歴史に名を残す大人物であることは間違いありませんが、筆者は天才だとは思っていません。秀才型であると考えています。

理由は、彼は勉強・学びによって自分の為すべきこと、進むべき道を選び、そして最高権力者となってからは平和を維持するための制度設計を行ったからです。

その学びの根幹は何か。

それは「歴史」です。彼は幼き頃、人質となっていました。人質というと辛く厳しいイメージがありますが、大大名の下に後継者を差し出すことは一般的なことであり、江戸時代においても大名の正妻と長男は江戸に留め置かれました。これも一種の人質です。

人質は、敵対した際には当然、死が訪れるわけですが、基本的には裏切らない前提で差し出されています。

よって、人質を受け容れた側も人質を大切に扱い、むしろ良質な教育を施します。なぜなら、その人質が成人した際は、自分の部下となって活躍してもらう必要があるからです。

家康は小大名の家に生まれましたが、人質生活の中で教養を深く学び、特に中国や鎌倉時代の歴史に傾倒します。

中国の唐の時代の帝王学を説いた『貞観政要』や鎌倉時代を綴った『吾妻鏡』を愛読します。

これらの学びから、なぜ戦国時代が訪れてしまったのか、どうすれば平和が保たれるのかを家康は考え抜きます。

その結果、生まれた順番や序列などで身分や待遇を設定し、その秩序を乱すことを許さないといった姿勢で政治に臨みます。

戦国時代が訪れた理由は、実力を測る手段が結局のところ「戦争」という実力行使の舞台に委ねられてしまったためだと理解したからです。

家康は秩序を重んじ、同じ状況の再生産を繰り返すことによって平和を永続化させていくことを考え、250年に及ぶ泰平の世を現出することができました。

歴史から学ぶ。

家康のようなスケールでは実行できないかもしれませんが、個人個人のレベルで真似をすることができる考え方・姿勢であると思います。

以上、今週の歴史小話でした!

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発行人:李東潤(りとんゆん)
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主要参考文献等リスト:
https://note.mu/1minute_history/m/m814f305c3ae2
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