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木刀素振り日記26/2月4日~11日

2021年2月4日
◆スーパーで島豆腐を買う。島豆腐は沖縄伝統の豆腐で、製法に特徴があるが、ぼくにとってはただの固い豆腐だ。沖縄では作りたての温かいものが売っていることもあるらしく、かなり暮らしになじんでいることがうかがえるが、それでもぼくにとっては固い豆腐だ。旨い。冷奴で食べる。
◆ケン・リュウの短編「太平洋横断海底トンネル小史」を読。すごくおもしろい。構成の操り方がとても効果的だった。「神の動物園」や「結縄」の濃い叙情はなりを潜め、アメリカのぱさぱさしたSFという感じがした。故郷を失うことは悲しみにも希望にもなりうる。
◆木刀素振りせず。

2021年2月5日
◆森元総理の失言がさかんに報道される。きつい。どんな理由があろうとあきらかに差別発言でしかなく、でもそのことを本人や世間がまともに扱ってくれるまでどれだけの時間がかかるのだろう。気が遠くなる。
◆木刀素振りせず

2021年2月6日
◆ひまにあかせて「龍が如く0」をやってみる。ミニゲームの羅列と言うべきかプレイアブルな映画と言うべきか。べつに楽しければどうだっていいんだけど、ゲームでも映画でもない居心地の悪さみたいなものはあって、いろいろ考え込んでしまう。
◆木刀素振りせず。

2021年2月7日
◆これと言って出来事のない一日。いやいや、そんな一日がほんとにあるのかよと思うけど、あってもおかしくない生活をしています。
◆木刀素振りせず。

2021年2月8日
◆近所のスーパーは店舗内でピザを焼いていて、それが旨くて安い。ぜんぶで6種類ほどのラインナップがあり、そのうちの「明太ポテトピザ」が抜群に旨い。どのくらい旨いかというと、店の一角にあるピザコーナーの棚でいつも真っ先に売り切れる旨さだ。つい数ヶ月前まで、この旨さに気づいている人は少なかった(=売り切れることなんてなかった)が、ここ数週間、いよいよ気づかれてきた感がある。
◆日記ではこのスーパーのことを「近場のスーパー」とか書いてきたはずだが、いまになって「ピザスーパー」と書けばよかったと思う。
◆木刀素振りせず。

2021年2月9日
◆ピザスーパーの野菜売り場で客の男性ふたりが言い合いになっていた。少し離れた位置で、エプロン(=ピザスーパーの制服)を身に付けた男性がこわごわ見守っている。どうやら店長が客同士の喧嘩を見守っているよう。
◆すぐそばを通る際、片方の喧嘩男性のセリフが耳に入った。「いやおめえよ、死ななければいいってわけじゃねえだろ」喧嘩のテーマはなんなんだろう。繰り返すがそこは野菜売り場で、もっと言うとネギの棚の前だ。閉店のアナウンスが流れるなか、喧嘩はいつまでも続いていた。
◆木刀素振りせず。

2021年2月10日
◆およそ1年ぶりにGさん宅に。ローカル路線バス乗り継ぎの旅を観ながらだらだらとふざける。1年前と変わらないリラックスのひととき。まるで時が止まったかのようだった。
◆しかしこの1年、たしかに新型コロナウイルスは蔓延し、Gさん宅の入り口には消毒液が置かれ、蛭子さんは認知症を告白し、かつてナレーション担当だったキートン山田も一線を退いている。時間は進んでいるのだ。
◆木刀素振りせず。

2021年2月11日
◆夕方、Sさん帰京。
◆「B」の顔合わせミーティングに遅れて参加。ちょうどメンバーが持ち回りで自己紹介をしていたところで、ちょうどぼくの番になる。てきとうなことを喋ってしまってよくない。その後、Slackのグループが立ち上がる。
◆木刀素振りせず。

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