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産めた|2023.02.17

羊水過少で管理入院となってから4日ほどで子を産むことができました。産み上げた感動に浸る余裕もなく始まった育児にてんやわんやしながら、2週間ほどが経ちました。

産めた。無事に産めた。その安堵をどう言葉にしたらいいかわからない。産んでから十数日、うれし涙など流している暇がないほどずっと不安だった。自分の体のダメージと、授乳の困難と、泣き止まない子どもと、眠れない夜の孤独と、回らない頭と、空回りする意欲とか、理不尽なイラ立ちとか、いろいろと。すやすやと昼寝してくれている子の脇でようやく、産めた安心をあらためて噛み締めることができてうれしい。

陣痛室での孤独を思い返すと、もう二度とあんな思いはしたくないと思ったりもする。新型コロナウィルス対策で付き添いや立ち合いが許されなかったため、身内の励まし無しで乗り越えた。この数年間の妊産婦の多くが同じように乗り越えてきたんだ。本当にお疲れ様、がんばったね、と思う。

通された陣痛室は相部屋で、入れ代わり立ち代わりで4人ほどがいたけれど、さまざまな事情でみなさん私よりも早く出産に至り、私は最後に1人残った。ドタバタと忙しそうなスタッフの方々の気配を感じながら、ひたすら呼吸を繰り返し、心が折れそうになるとナースコールを握り締めて助産師さんを待った。痛いと訴えたり一緒に呼吸をしてもらったり、腰をさすってもらったりするだけで、苦痛は変わらなくても絶望を免れることができるんだなと思った。子宮口が7センチまで開いた段階で、「進んでる進んでる、絶対今日会える!」と励ましてくれた助産師さんへの感謝は一生忘れない。

産後、寝不足とともに誰かに頼りたい気持ちが強まっていって、1人になると寂しさと無力感で子どもと一緒に泣くような夜を過ごしていたら、母をはじめ、夫や助産師さんが大変気にかけてくれて最大のサポートをしてくれ、徐々に立ち直りつつある、気がします。

夫は週末ごとに里帰り先にきてたくさん面倒を見てくれて、東京に帰ってからのあらゆる準備を驚異的な手際のよさで整えてくれているし、母は授乳以外の多くのお世話を代わってくれるし、助産師さんは退院数日後に電話訪問をしてくれたし、2週間健診での産後うつチェックの結果が要注意の域だったのをいいことにいろいろとわがままを言って対応してもらったり、病院から地域の保健士さんと連携してもらいさっそく電話をもらったりと、至れり尽くせりのケアを受けています。

子どもが寝てくれて私も眠れたら私は元気です。
あと、子どものことはめちゃくちゃかわいいです。

ここ数日はわりとよく眠ってくれる子、今夜はどうかな。
まぁ、なんとかなるかな、と思えるくらいには元気でいられてうれしいです。

それではまた。


いただいたサポートはよりよく生きるために使います。お互いにがんばりましょう。