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山椒は小粒でもというが、大粒の山椒にはまだ出会っていない

前回の記事で「雪の宿」への偏愛を綴ったわけだが、今回はその愛してやまなかった雪の宿が、霞んでしまうほどの衝撃と大ハマりを受けた「バンザイ山椒」について語ろう。

「言わずもがな」
もがなーとは願望をあらわす終助詞のことである。博識なnote愛用者の皆さんはすでにご存知だと思います。言わずもがな

言うまでもなく、岩塚製菓のバンザイ山椒は日本の米菓業界の常識を根底から覆す歴史的大発明である。そう、言い過ぎである。いやぁ、ショッキングでしたね。最初はパッケージのゆるさに惹かれて手に取ったんです。近くのスーパーでね。そしたら山椒と書いてある。瞬間、懐かしいなぁって思ったんです。

昔、中国で飛び回ってた頃に、エージェントとよく食事をしてたんです。食事の場も含めてビジネスということを学んだ若かりし頃の私は、「出されるものは、全て綺麗に食べなければ失礼に当たる」と思ってたんですね。目にしたことのない料理も、何も聞かずに美味しそうに平らげる。しかしすぐさま、次から次へと止めどなく運ばれてくる料理。後から知ったんですが、全部食べると「まだ足りない」と思われるのと、おもてなしの意味で食べきれないくらいの料理を頼むのがマナーらしいですね。その地方だけかもしれませんが。いくら当時の物価が今より安かったとはいえ、巨万の富を得ているわけでもないエージェントに無理させてしまったかと反省。余った料理はちゃんと持ち帰るという分も含めての注文だったのかと思うと、当時の張り切っていた自分を張り倒したいですね...。

その料理の中で一つ、見慣れない木の実のようなものが入ってました。大きさにしてBB弾を2回り大きくしたような、今思い返してもピンとこない大きさではありますが。その謎の実を噛んだ途端に、文字通り^_^;吹っ飛びましたね。「ビィィィン!」とも「ジィィィーン」ともつかないような音が口内から広がり、やがて脳内に達したかのような【痺れ】 

これはもう完全に毒だと思いました。ついにやられたかと。いや、ヤルヤルとは聞いていたけど、ついにやったなコイツと思って、目を白黒させて遠い故郷を思い、好奇心の塊だった自分に平手打ちしたいほどの後悔に苛まれました。その後の食事は、何を食べても味がしない。何を飲んでも痺れたままの舌先。どうせ日本語はわからんだろうと、ありったけの罵詈雑言を含んだ笑顔の呪詛をぶつけてみても、人の良いエージェントはニコニコするばかり。可口可楽を飲んでも一向に治らず、ゲップが出るたびに痺れが広がる、ニューチャイナシステムに打ちのめされてホテルへと戻ったのでした。それが山椒だったと日本にきて気付きました。日本は優しい。山椒を使うにしても、品の良さがある。アルバイト新人の初日の店長ぐらい優しい(個人差アリ)

その山椒なのよコレ。あられは小粒でありながら、しっかりと塩味と山椒のフレーバーが効いていて、大人のおつまみに最適。小袋パックに分かれているところも加点ポイントとしてあげたい。何より忘れてはいけないのが「ピーナッツ」という山椒の痺れを軽減してくれる紳士的なナッツ。そして、この山椒は好き嫌いがハッキリ分かれるために、台所に常備しておいても、つまみ食いする輩がいないというgood point!日本全国民がこの味を知ってしまったら、あの歴史的戦争である「きのこたけのこ大戦争」を軽く凌駕するほどの事件となるであろう。

日本は二つに分類されるであろう
「万歳三唱」か「バンザイ山椒」か

学校や会社の行事で、人知れずほくそ笑む彼女は

「バンザイ山椒派」の一味だから気をつけろ!

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