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もらった日本未上陸ビールの話③(台湾編)

この記事は

の続き。

第3弾。
正確には「もらった」というよりアンバサダーとして提供して頂いたのだけど、
重要なのはこれらが台湾からの未上陸のビールということ。

新規インポーター「むぎうぎ」さんとの出会い

ビールに関するインスタをザッピングしていたところ、
台湾のビールをインポートされている新しいアカウントを見つけた。
僕は新しい醸造所やインポーターさんは片っ端からウォッチすることにしている。

むぎうぎさんHP

最近はなんとなくクセというかニオイというか、
扱っているビールや国、デザインetcである程度どこの新事業なのか見当がつけられるようになってきているが、
むぎうぎさんに関しては全く無知で、しかも台湾というノーマークな土地からのインポートだったので結構衝撃だったのを覚えている。
初めて見つけたのは確か年末辺りだった気がする…もうサジェストで勝手に上がってくるようになっているのだろう。
暫く眺めていたらある日「ビールの紹介を投稿してくれるアンバサダー募集」という投稿を目にした。

アンバサダーというのは最近REVO BREWINGさんの成功例が記憶に新しいが、
ファンの一般の方に商品の宣伝を担ってもらう新しいマーケティング手法。
ファンからすれば好きな醸造所の仕事の一端を任せてもらえるからモチベーションは高いし、大抵ビールや新情報を提供してもらえるので嬉しく、光栄な仕事。
企業からすればSNS隆盛の時代に無駄な広告予算をかけなくて済むし、
一般の方が口コミのように伝播してくれるのは現代ビジネスで大切な
「共感」
を演出しやすいので、有効的とされている。

今はプロの高品質な仕事よりも、影響力が高いインフルエンサーのほうが結果売上やブランドイメージ向上につながることが多く侮れない。
一般人側にも企業案件の場数とマーケティング力次第ではプロ並みの品質を持っていることを発信しやすい追い風もある時代。

台湾のビール事情

僕は台湾と今まで縁があったわけではないが、
日本に入ってくる海外のメジャーなビールは飲み尽くしたので傾向はわかったつもりでいた。
台湾といえばTaihu、SUNMAI、台湾ビール…共通の特徴が何となく見えてくる。過去にはTaiwan Head Brewers Brewingも上陸していた。
あとは近場ではCarbon Brewsの台頭もある。
一方青島ビールのIPAも美味しいので昔からあるビールだからとチープな先入観をもたず臨みたいところ。


むぎうぎさん曰く、
台湾の民間の醸造開始は2002年で市場もまだ新しいブルーオーシャンとのこと。
興味深いのは、台湾のブルワーにはアメリカ・ドイツ・イギリス式といったベースがないそう。
良い意味で縛られていないのでスタイルがとても自由なのだとか。

台湾のビールで検索をかけて出てきた話は2019年だが、参考までに。


テイスティング

基本的な投稿はペアリングフードとの投稿もがんばったので(笑)
そちらを参考にして頂きたいのだけど、補足的な感じで全4本紹介していきましょう!


①WULONG ALE/FORMOSA BREWING
スタイル:ティービール
Untapped:3.33
ABV:5%
IBU:50

https://www.formosabrewing.com/#

こちらは烏龍茶葉を使用したオリエンタルなビール。
正直長く浸されたお茶のような、葉っぱが蒸されすぎてしまったような、
クセのある酸味が強く、独特な味わいではある。
お茶を使ったビールは素晴らしいビールもあるが成功例が少ない。
そこさえクリアできればそれほど悪くない商品になりそうなのでブルワーの方には改善に期待。

②MOUNTAIN PEPPER WITBIER/TSAI'S ACTUAL BREWING
スタイル:ハーブビール
Untapped:3.48
ABV:5.4%
IBU:5

こちらはマーガオを使用したビール。こういったテイストは台湾ならではになってくるのでとても面白い。
レモングラスのようなマーガオの特徴をきちんとビールに乗せることに成功しており、直感でおいしいなと思えたのでお気に入り。
ワンタンとか優しい味の中華料理とめちゃくちゃ合っていくらでも飲み食いできそう。

③TSAI'S WEE HEAVY/TSAI'S ACTUAL BREWING
スタイル:スコッチエール
Untapped:3.61
ABV:7.7%
IBU:18

②と③は同じ醸造所だが、頂いたサンプルの中では国政的な受賞歴も両方あり、世界レベルで信頼できる品質と言える。
少々紹興酒ぽさというか、常温流通のせいか独特な複雑さがあるが、
スコッチエールというレアスタイルを、ボディがしつこくないのにこれほど魅力ある味わいに仕上げてもらえただけでも大変な発見。総じて素晴らしい。



④HOP BOMB IPA/JIM AND DADS BREWING
スタイル:アメリカンIPA
Untapped:3.67
ABV:9.7%
IBU:47

意外だったのはこちら。度数からするとトリプル?くらいのABVだが、
体感7%くらいの直球ウェッサイだったので驚いた。
一番の伏兵だった。安かったら普段遣いでめちゃくちゃコスパが良いビール。
アジアでもこういうの作れるんだなーという参考になった。これだからビールは楽しい。

ビール自体からの収穫が多いだけでなく、むぎうぎの代表様もビールと事業に対して真剣に臨もうとしていたのが印象的。
前述の通り、色がない分台湾のブルワーは海外研修に行っていたり、
自国の調味料やフルーツを生かしたビールを自由に使う発想もあり、
伸びしろがある市場。
取材を起こした記事も執筆中なので、ぜひ

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