歩き地蔵のお江戸面白地蔵物語VOL.91 不動前~青物横丁歩き旅③みんな傘を被って生きている。
連載の3回目。ちょいとマップの下が切れてますが、乗りも大事なので、このままで進行させてください。今回は写真も多く、文章も長くなるかな?
それで、私は、旧中原街道沿いの子放し地蔵さんをお別れして、いよいよ、最終目的地である、最寄駅は青物横丁の、品川寺の江戸六地蔵さんのもとへと歩き出した。
これくらいの距離であれば、十分に歩ける足になっていることが、もしかしたら、歩き地蔵の功徳なのでは?という位に軽快に歩き出す。
私が歩き出した通りは百反通りと言うらしい。なんで、百反というのか?ネットで調べてもその根底はつかめないが、想像するには布の長さの方なのかな?田んぼの広さなのかとはじめは思ったけど、結構長い距離だったので、距離の長さのイメージを百反としたのだと思う。
東京が好きなのは、昔からの名称を残していること。品川なので、どんどんこの道を進むと都会でおしゃれなエリアに突入するのだけど、どこでも、おしゃれに進化していても、名前は昔の名前を残し継承しているのが、江戸好き女にとっては最高にタイムスリップの材料になる。
まだ、下町の香り残るエリアでは、小さい薬屋さんが大手ドラックストアに押されてはいるだろうが、ちゃんと商いをしていて、品川なのに、世田谷ロールが売られていて、とても買いたい衝動にかられたが、この先、まだまだ歩くことを考えて断念。
ソニーという看板も出てきて、だんだんとおしゃれさんの町って感じになってきたけど、淡々と歩く。
トイレを借りたくなって、とても綺麗なビルに入る。住友不動産系ぽい。緊急事態宣言下のテレワークの方もいる中でも出勤する方もちらほら。トイレは空いていてとても綺麗。丁寧に使わせていただき、少し疲れたので、ビル内にあるタリーズで温かいコーヒーを飲む。
背後で、男性二人が株で儲けた話をしてて、じゃ、今日、ごちになります、とか言っている。一人は、昨日も飲んでて、イメージからすると8時以上飲んできた感じ。自宅に帰ると嫁がハヤシライス作ってて、食べないと怒られるから、なんとかして食べたって言っているのは聞こえた。
「幸せなお話だな~」
と心の中で感想を述べ、気がついたら、男性たちの声が聞こえなくなってたので後ろ見てみたら、いつの間にか席をたっていた。
そして、私もそろそろ、っと、また、歩く。
どうやら歩道橋を渡るらしいと渡る。
山の手線も走っている。もろもろ走っている線路の上を渡るための歩道橋。
渡ってからも歩く。
道路拡張工事のフェンスの向こうに白いリアカーは無造作に置かれていて、その色といい置かれ方といい、シュールな感じがして、一端通りすぎたけど、気になって戻って写真に収めた。それでまた、歩く。
ネットで囲われた赤レンガの建物が出てきた。
日本ペイントの明治記念館との看板を目にする。
インクとかペンキの材料とかも、明治の文明開化の音がしてからなんだろうな~とか思いながら歩く。
電球会社のデイスプレーが面白いので、写真撮る。大きな電球、宇宙に飛んで行く。私の顔がうまく写らないかちょっと考えるが、うまく収まらないのであきらめた。
東京の町を歩いているとガード下がとても多いことにも気がつく。
そして、今回もガード下に出逢った。
ガード下では、ほぼ、地元の小学生の絵がデザインされている。きっと、その時代の流行だったのかな?
いい絵ばかりだ。
ガード下なのが逆にもったいない感じもする。
他にもいろいろ情報はあったけど、写真撮るのも飽きて、ただ、歩き。。。。
目的地に到着しました・・・とグーグル君がいう。
「あれ?前にも来ている」と思った。
品川に来ている。けど、その時は歩き地蔵に絵を残していなかったのだ。そして、品川寺に六地蔵さんが門の前にいらっしゃるってことにも気がついてなかった。
こんなに大きいのに~。
「あ~びっくり~~。なんでやねん!」
「はい、ちわ~っす」
「ちわ~っすって、六地蔵さん、私前に来てたんですよ。こちらに。なのに気がつかないでいました。すみませんでした」
「あの時、寒かったからね~。風も強かったから、結局、shibuは下向いて歩いてたし」
「あ、そうだったんですね~。本当に申し訳ないです」
「いいのいいの」
「あ、品川のお地蔵さんは傘被ってないんですね?」
「はい。そうじゃよ」
「なんか、恰好いいです。堂々としてて」
「そうかにかに?」
「はい、かに。って、あはは。あのですね。実は傘の夢を見たんです。で、そのことをお地蔵さんに聞いてほしいんですけど」
「ん?どんな夢かに?」
「かに、かに、が好きなんですかに?」
「ん~エビより蟹が好きなんです」
「え、っと、今度、蟹持ってきますかに?」
「うれしいかに~」
「で、ですね~~~。夢の話なんですが?」
「どうぞかに~~~」
「お地蔵さんが言ったんです。私に」
「なんと?」
「誰もが傘を被っている。カラフルな花模様の傘。黒い傘。ビニール傘・・・だれもが傘を被っているんだ。って」
「お~~~~蘊蓄ぽい~~~」
「ですよね、、、、で、どんな意味かに~~~?」
「どんな意味って、そのものずばりでしょう======」
「と、言いますと?」
「スタイルってことでしょう~~~~」
「むむむ。もっとワケわかんない~~~」
「つまり、人それぞれに、あるってことでしょう~」
「むむむ」
「つまり花柄が好きな人もいるし、黒い傘が好きな人もいるし、ビニール傘が便利って人もいる」
「はい」
「それから立場で黒い傘被んないとならない時もある~。だがな・・・」
「だが・・・・」
「傘だけならいいが、黒い疑惑はよくないね~」
「あ、はい」
「要はさ、人って生き方のパターン、思考パターンができちゃっててさ、、、、」
「ふんふんふんふん」
「時に傘を空に飛ばしちゃってさ、雨に濡れてみるとさ、いろいろわかってきたりして、水に流されたりして・・・・」
「お、そんな感じで傘を時には被らないってこともあり?って」
「そんな所かな?なんで夢でそんなこと言ったのか、わかんなくなっちゃったかに~」
「あはは、蟹なんだ~やっぱり」
「ね、今度蟹持ってきてくれたら、また、答えを教えましょうかに~」
江戸六地蔵の一番霊所の品川寺のお地蔵さんは蟹が大好物なんだと知った。
そして、私は青物横丁駅まで歩く。
途中人だかりの店に出る。いつも人気の魚屋さんだ。
以前もこの店の前を通り、買って帰ろうか迷った記憶が蘇る。今日は買おうと、千葉沖のイワシが一匹70円で販売されていたので、4匹買った。
人気の店なのでソーシャルデスタンスって何?って感じで私も並ぶ。学生らしき男の子がたちが飲み会用に魚を買ってて、一人の体の大きな男子は、あれもこれも買おうとする。そして体の小さい男子が「食べすぎ」って言う。すると大きな方の男子は「あ、そうだね~。お母さんに叱られたみたいだ~」と買おうとした魚を棚に戻す。
とにかくタリーズといい、魚屋といい、サラリーマンといい、大学生男子といい、普段の会話がたのしい。
傘なんかちっとも被ってない日常の会話。
そんな会話が私は好きだ。
癒される。
そして、私も帰宅後、
イワシ二本を焼き魚にし、残り二本をつみれ汁にした。
焼き魚、皮が破けちゃったけど、美味。
つみれ汁も最高。
目黒のサンマではなく、品川のイワシ(千葉県沖産)最高~~。
3連続のお地蔵さんストーリー書けちゃいましたね~~。
う~やった~。
読んでいただいた方々に心よりお礼を申し上げます。
明日はワープ特集です。
(((o(*゚▽゚*)o)))
午後からも楽しい生活をお過ごしください~。
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