歩き地蔵_VOL.4_浅草寺_母子地蔵

歩き地蔵のお江戸面白地蔵物語 VOL.4浅草寺敷地内 母子地蔵

3月7日に祝言寺の鍋かぶり地蔵を取材させていただき、ちょっと歩くと浅草寺に行けると思ったので、予定していなかったが、浅草寺まで歩いてみることにした。

コロナウイルスで、外国人観光客は少なくなっていると想定、また、都民も感染予防で、たくさんの人が出てきているであろう観光地に行くのは控えているだろう。その検証実験の気分でもあった。お地蔵さんに出逢えるから行くという目的をもって歩き出したのではなく、コロナの影響を確かめたいという好奇心から歩き出したのである。

歩いてたら東本願寺が出てきた。「いや~随分と大きな寺院だわ~」と思ったが入りずらいイメージがしたので、今回は入るのはやめた。とにかく、目的地は浅草寺。浅草寺には、何度も、地下鉄の浅草駅から歩いて行ってるが、西側からのアプローチは初めてだったので、すべてが新鮮に見える。本願寺の周辺は大小様々なお寺だらけで、寺の掲示版には

「正しさの名のもとに 人は争う 人は迷う」

「教えよりも 教えて聞いている 自分を信じている」

「気にいらん人がおったら こっちに自我があるということ 証明してくれる仏さんである」

「白だ黒だとけんかはおよし 白という字も黒で書く」

などなど、蘊蓄深いお言葉が掲示されていて「ふむふむ。んだね~」って妙に歩くだけで悟りの境地に入る感じ?(こんな簡単でいいの?笑)

もっと歩き進むと、合羽橋通りに出た。実はここには初めて来て、友人はよくここで便利な台所用品を買っていると言ってたが、本当に見ているだけでも楽しめる品々がたくさん販売されている。ずっと見ていたいけど、今回の目的は別なので、次回またね・・・・と品々に心で挨拶して、浅草寺に向かった。

そうしてしばらくして、雷門の前に到着した。

あれ?人もまばら。今日は土曜日だよね。普段だと本当にたくさんの人でごった返しているのに、本当にぽつんぽつん。日本人の若いグループがレンタル着物を着て、仲見世で揚げ菓子をつまみ食いしながら、のんびり歩いている。いつもの仲見世通りは、もう、人の流れに押されるように歩くしかなく、のんびり、仲見世を見て回るなんてしてこなかったので、このゆとり空間がめちゃくちゃ贅沢空間だと思った。

けど、お腹もすいてないし、食べ物には興味がわかない。さて、まず、参拝しようと歩いていたら、小さな神社とか菩薩像とか、今まで目に止まらなかった敷地内の神仏が目に自然に入ってきた。

「こんな感じにたくさんの神仏で浅草寺の周辺は守りあってたんだね」とそのあたりぐるっと回ってみた。

そこで、私は今回の母子地蔵に出逢う。

「うっ」と来た。

浅草寺 母子地蔵

お母さんが二人の子ども、一人はおんぶして、もう一人は抱っこしての母子地蔵が目の前に現れた。「うっ」と思った次の瞬間には「はぁ~有難いな~」と思った。それから、子どもたちが「お母さん、お母さん」って言っている声が聞こえた。

「お母さん、大好き」

「私もお母さん、大好き」

「ありがとうね。お母さんもみんな大好きよ」

って聞こえた。

この母子地蔵はどんな意味があるの?と横に設置されていた看板を見ると、第二次世界大戦で敗戦後、満州に移住していた日本人家族が寒さと飢えで約20万人もの死者を出していることを弔う意味と、戦争が国民にもたらす悲惨さを忘れてはならないという思いで建立されたと書かれていた。お地蔵さん世界では、おそらく、比較的、新しい方だろうけれども、戦争を知らない子供たちが増えた今、とても重要な意味のある母子地蔵さんだと私は思った。

私の父も満州の撫順からの引き上げ者で、父からは苦労してきたという話は聞いてこなかった。苦労話をする時もいつも笑顔だったので、子ども心に「お父さん大変だったんだね」と察知する感覚は生まれなかった。けど、大人になってわかるのは、相当な苦労してきたので、笑顔だったんだろうな。って。子どもたちに安心を与え続けたかったのだな。と。

そして、あまり交流ができなかった父方の祖母も、この像の母親のように赤ちゃんをおんぶして、抱っこして、大変だった状況でも笑顔で「お母さんはみんなが大好き」って本土に行けばなんとか生活ができると思って、希望の地の日本本土に戻ってきたんだろうな。と。

さて、今、コロナウイルスが日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ等にも影響が出ていて、生物兵器かも?とかいろいろ噂は飛び交っているが、とにかく、このあたりのことに関しては歩き地蔵shibuとしては「収束を願う」しかないと、この母子地蔵を見て、しっかりとお願いした。

「世界のために、人類のために、次世代の子どもたちの笑顔のために、早めの収束にお力をお貸しください」

お母さん地蔵さんは優しいまなざしで「うんうん」って言ってくれたように思った。

MAP浅草寺 母子地蔵

浅草寺 はじめて中に入るのまき


おまけ。

人が少ない浅草寺を歩くと、本当に知らなかったことを知ります。浅草寺では早朝午前6時(10月~3月は午前6時半)と午前10時と午後2時と毎日法要をしており、参加についてはお金がかかりません。何か祈願をお願いするにはお布施としてお金はかかるんですがね。

人は少ないので、ごった返してた時には見逃していた、お堂の中の案内も、これまた、自然に目に飛び込んできて、案内の方が「2時から法要です」と声をかけてくださったので、私ったら、、、「入場料はいくらですか?」なんて聞いちゃって「いや、かかりません」とかおっしゃるので「では~」って興味深々で中に入りましたら、皆さん、浅草寺の観音経の経本をご持参されている方ばかり。

私は持ってなかったこともあるし、はじめてだし「むにゃむにゃむにゃ~~~」ってリズムに合わせてむにゃむにゃってやって、周囲の様子を見て、手を合わせての体験させていただきました。今度は経本を500円のが小さいサイズで1000円が大きいサイズらしいのですが、どっちか準備させていただき、法要に参加させていただきたいと思いました。ある意味のライブハウスだと思うんですが、密室の空間でないからウイルスが感染するなんてこともないと私は思います。

とにかく、地球を守りましょう。エイエイお~~~。

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