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彼は袋麺を食べて育った

今日、浅草で水道検針をしていた時の話なんですけど、6人組の中学生がラーメン屋の外にある席で、ラーメンを食べていました。

その内の一人の男の子が「誰かメンマ取って、マジで頼む。食べれないから」と言った。わんぱくそうな坊主頭の男の子がメンマを自分の器に運んだ。

そのあと一人の女の子が「私もチャーシュー苦手だから、チャーシュー食べて欲しい」と言った

するとさっきのメンマ嫌いの男の子が「俺、チャーシューも要らない」と言った。

またもわんぱく坊主頭が二人分のチャーシューを奪って、彼の器はチャーシュー3枚、メンマが10枚ぐらいになった。なんとも贅沢なラーメンだ。

すると、驚く事にメンマ、チャーシュー嫌いの男の子が「ネギも苦手なんだけど」と言った。わんぱく坊主が山になったネギを箸のひとつまみでつまめる分だけつまんで、自分の器に移した。

おちゃらけた坊主頭は「麺も食べてやろうか?」と言った。

超偏食男子は「ふざけんな。それはダメだよ」と返した。

そうして彼はスープに少しだけネギが浮かんだだけの、スープと麺だけの素ラーメンを食べ出した。

「素うどん」や「もりそば」なら分かるが、なかなか素ラーメンはない。

恐らく彼はカップラーメンではなく、袋麺を具なしで食べて育ち、袋麺がラーメンであると刷り込まれて育ったのだろう。

しかし、なんとも旨そうに食べるので、戦後の銀シャリを食べる人みたいにそれだけで十分に味がしてご馳走なのだろうと思った。

人は他人と比較して幸せかどうか判断しがちだが、それではキリがない。

この場合でいうと同じ値段でめちゃくちゃ得をしたのはわんぱく坊主頭。

だが、偏食男子が幸せそうならそれでいいのだと思った。

ちなみに私はそんなタンパク質の足りない食事は絶対にごめんだ


一丁

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