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七夕漫才

織姫「どうも、織姫でーす。」
彦星「彦星です。」
二人「晴れたらいいなです。よろしくお願いします。」
織姫「ごめんなさいね、こんな田舎のギャルみたいなピンクの浴衣で出て来て」
彦星「誰もそんなん思てないから。そう言われたらそう見えるがな」
織姫「ハッシュターグ!」
彦星「人のやがな!せんでええのよ。まぁ暑いけど、頑張って行きましょう言うてますけどね。」
織姫「えー!?」
彦星「いや、頑張って行きましょう!言うてますけどね!」
織姫「聞こえなーい!」
彦星「さっきまで聞こえてたがな。頑張って行きましょうー!言うてますけどねー!」
織姫「ちょっと!そんなんじゃ、こっちの岸まで聞こえないよー!」
彦星「いや、天の川挟んで漫才しとんのかいな!ええ加減にしぃや君」
織姫「ごめんなさい。一年中このスタイルやから、ついクセで」
「ついクセで、やないねん君。今日は久しぶりに晴れて、こないして漫才できんねやから観てもらわな」
「あ、そうやね。確かに。まぁ言うて私ら、毎日LINE電話で話してますけどね」
「そんなん言うたらアカンねんて。七夕が盛り下がるがな」
「何やったら、雨が降っても増水せんように工事してありますし」
「そんなんバラすな」
「その上にミルキーウェイブリッジいう大きなレインボーブリッジそっくりの橋できましてん」
「やめて!一年に一回しか会われへん。しかも、雨降ったら会われへん、みたいなんがロマンチックで値打ちなんやないか」
「それは、皆さん安心して下さい」
「何がいな」
「私ら車を持っておりません」
「あ、二人ともね。持ってないんですわ」
「私がママチャリ、彼が原付バイク、私らミルキーウェイブリッジ通れませんねん」
「そうなんですわ。禁止なんでね。歩行者は行けるんですけど」
「そう!歩行者は倒れるんですけどね。なんせ天の川、大き過ぎて歩いて渡ったら380日かかりますねん」
「一年以上でっせ。これ」
「一年と15日こぼれますねんわ」
「そうだす」
「ほな、7月7日に着こう思たら、前の年の6月22日には出発しとかなアカン」
「せやね」
「6月22日に出発しまっしゃろ?その年の7月7日はスルーや」
「そうなるわな」
「来年の7月7日までかかるさかいにね。結局あんまり会われへんのよ」
「タクシーなんかやったら、どえらい値段なるしね」
「そうなんです。天界も値上がりインフレ、大変でございます」
「困ったもんですわ」
「ほな、歩かなしゃあない。そやから彦星さんにね、歩いてもらってるわけなんです」
「皆さん聞きましたか?これ、おかしいと思いませんか?」
「何がやの」
「君が真ん中まで来てくれたらやな。一緒に出発したら、真ん中で会えるんやがな」
「そんなもん、あんた大橋の真ん中で車ビュンビュン通って、風でせっかくセットした頭ブワー崩れて、何をすんのんな」
「いや、そやかてやな」
「そやかても、せやかてもないで。名探偵コナンやないねんからアンタ。他の通行人の迷惑にもなるしやな、車からも丸見えやしやな。ゆっくり喋れるかいな」
「いや、それはその二人の世界に入ってやな」
「ええ加減にしぃや。一年以上会うてない二人が久しぶりに会うて、二人の世界に入って何すんのアンタやらしい」
「いや、やらしいて、別にそれはやな」
「そんな事、橋の上でてきるかえ??」
「いや、違うやんか」
「ほな、やっぱりどっちかが、どっちかの岸まで行ってやな。橋の上から見えるピカピカした所に行くのがええのんちゃうのん」
「いや、ピカピカて。なんかロマンチックから途端にロマンポルノみたいな話なったでしかし。」
「いやん、ロマンポルノて、ごめんなさいね。私らずっと上におるんで。古いんですわ」
「上におるのに、下ネタ好きでね。言うとる場合か」
「いや、でもホンマ会われへんのがロマンチック言うてね、ロミオとジュリエットとか」
「はいはい」
「愛の不時着やとか」
「ありましたね」
「そんなん持て囃されますけどね」
「そうやね」
「ずっとそばにおる人を大切にして下さいね」
「それはホンマですよ」
「いつでも会えるから言うて気を抜かずに」
「当たり前にならんとね」
「会える時に会うとかないとね」
「いや、ええ事言うがな」
「だから私も今年の短冊に書きました」
「なんや照れるがな。なんて書いたん」
「車持ってる人に巡り合いますように」
「いや、田舎のギャルやないねんから。もうええわ」

移動が1時間ぐらいあったんで書いてしまいました
意味はないです

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