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直方で見たやるせなさ

 直方は福岡県北部に位置する筑豊3都(他は田川、飯塚)の一つ。
 チューリップの産地としても有名だ。
 大相撲元大関、魁皇関の出身地でもある。

 普段なら通り過ぎてしまう街かもしれないが
 縁あって鑑定評価の依頼を受けた。

 小倉から在来線に乗り換えると程なく到着する。
 街並みはこじんまりしていて
 どこか故郷に似ている印象を受け、懐かしさを感じた。
  
 もう少し散策して、この街を満喫してみたい。
 そんな衝動にかられながら淡々と仕事をこなしていく。

 突然、どこからか中年の男の人の怒鳴り声が聞こえた。
 独特のイントネーションだ。

 「きさん、しばくぞ!」

 どうやら携帯で相手と話しているようだ。
 周囲の人が何事かと顔を向ける。
 小さな子供とお母さんがその場に立ちすくむ。
 せちがないこの世の中を垣間見る。
 大変な世の中だ。

 それにしても北九州弁は結構きつい。

 温かく見守ることが上手くできないやるせなさとゆとりのなさ。
 社会の厳しさに触れ現実を直視する。
 まだまだ景気回復は程遠いかな。
 景気は不動産価値の指標となるバロメーター。
 
 さあ、襟を正して仕事に戻らねば・・・。

 今日もまた一つ、日本の課題に直面した。 
 

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