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F. ソル「ワルツ」〜 「青本」和声分析45
F. Sor: Vals 概要
ホ長調。構成は全体をA - B - AとしてAが2つ、Bが3つの部分に分けることができるので複合三部形式で良いだろう。Bパートでは同主調(ホ短調)へ転調している。
和声分析
A1
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上段ではバスが2度上行し、Vの和音が転回してまたバスが2度上行するのに対し、下段の和音は基本形のみでバスの動きも大きく解決感も強くなっている。
また5小節目の1拍目から3拍目で一気に音域が広がり、さらにD音が出てきているのがこの部分の山場か。そしてのあとのIVにどう解決するか。6小節目頭のH音ではかなり緊張感は増している。ただそのHが解決されてからは、かなり軽やかになっている。
A2
![](https://assets.st-note.com/img/1706021610674-JWaH4dtfTu.png?width=1200)
上段下段とも最初のVからIの第一転回形へは、外声で第7音が2度上行するというのは教科書的には良くないので、経過音で和音が移っていってると捉えるべきだろう。核となる和音進行はVの基本形からIの第一転回形と捉えるのが良いと考えた。
B1
![](https://assets.st-note.com/img/1706021623335-nb1DAAW2df.png?width=1200)
ここからホ短調に転調。このパートは主和音が長く引き伸ばされている。
B2
![](https://assets.st-note.com/img/1706021646150-x7ZyEiozql.png?width=1200)
B1と対照的に、このパートは全体としてドミナントとなっている。
34小節目ではIとしたけれども、Vに対するドミナントの九の和音と捉えた方が良いかもしれない。
B3
![](https://assets.st-note.com/img/1706102488605-62Y6ncCT1D.png?width=1200)
B1の変奏で和音は同じ。
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