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短歌

今日は歌のみ、解説は何れか。コメント待ってます。

さらさらと 流れるは 春のひと時の 午睡のごとき 透明な川
錆びたるは 港の街の なんのため 使うかも知れぬ 鋼鉄の塔
いかめしき ベルトコンベアで 流れてく 仔らを慰む 人形の群れ
夢覚めて 起きれば 里の朝餉食み 虫かごと網 持って走らん
名も知らぬ ひとの歌いし その詩は 夕暮れ刻の 虫の声なり
「こうもりが 飛んでいるから もう帰ろう」 手を引かれ去る 五つの記憶
手を引かれ 去る仔と 目が合いしコウモリ 寂しく飛びし 夕暮れの空
手を引きし 老婆と 去りし幼き子 “あそんでほしい”と こうもり寂し
赤い絹 包まり 太陽に召されし 幼き少女の 木乃伊かなしき
愛おしき 誰かを置きて 天に召す 今は 醜き木乃伊の少女
天に召す 故に現世での 身を壊し 寒き山々に 捨てられし少女 

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