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大切なことはジブリファンから学んだ

小さい時、ジブリ作品をあんまり見てなかったんですよね。

子供向け作品の代名詞【となりのトトロ】、小学生の頃に大ヒットした【千と千尋の神隠し】あたりは確実に見ていてストーリーも覚えたのですが、他の作品はタイトルをなんとなく知ってるくらい。
(よく思い出すと、なぜか【平成狸合戦ぽんぽこ】は観ていた気がする。)

「ジブリファンは怖い」と思った大学時代

そんな状態で大学まで進みました。
俺の通っていた大学は地方の小さな公立大だったのですが、不思議と周りにジブリ好きが多かった。

話の流れで「ラピュタとかナウシカって観たことないんだよね」と口にすると、『へ?ありえなくない?』『普通どっかで観るっしょ?』と変な嘲笑をされ、まるで非国民かのような扱いをされました。

「こういう人が新規ファンの増加を阻害するんだな」

俺はそう思いました。
なんなら、「ジブリファンってろくな人がいないな」くらいに思ってました。
※もちろん、全てのジブリファンがそうでないことは分かっているつもりですが......

そんなこんなで、大学時代はジブリ作品を観る気が失せてました。

やる気の喪失...、恐ろしい事態です。

遂に...ラピュタを観る決心

社会人になり、ある1人の同期入社した男と仲良くなりました。
そいつもまたジブリファンでした。

ただ、そいつは映画全般が好きだったせいか、新規ファンを取り入れる姿勢はありました。

『面白いから観てみなよ。一本松なら楽しめると思うよ。』

その前向きな言葉を信じ、言われた週末にDVDを借りて【天空の城ラピュタ】を観ました。

今まで出会った人々があれだけ口々に面白いと言っていたラピュタです。

どんなシーンなのか分からないけど、玉子ののったパンが美味しそうなラピュタです。

本物は見たことないのに、ムスカのモノマネは何度も何度も見てきたラピュタです。

テレビで放送されたら、今でも「バルス祭り」が行われTwitterのサーバーが落ちちゃうラピュタです。

さすがにハードルが上がりきっていたため、感動するほどではなかったですが、約2時間の作品を退屈することなく楽しめました。

作品から感じたこと

中でも感銘を受けたのが、飛行石の力でロボットを動かしたり病気を治したりできる呪文は「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」と長ったらしくて唱えるのが難しいのに、滅びの呪文「バルス」は覚えやすく言いやすいこと。

作り上げること・積み上げること・動き出すこと・それらで成果を出すことの難しさと、何かを壊すこと・終わらせることの容易さを表現してるように感じたのです。

その点はこの世の真理や儚さを再認識できて、観た価値があったと思いました。

あ、数年後にこうやってnoteのネタになったことにも価値を感じてます。(急な取り繕い)

同期に感想を語った

休み明け、その同期と会った時に話しました。

「ラピュタ観たよ。」

『おー!早い。どうだった?』

ここで俺は映画好きなそいつに、思い切って自分なりの感銘ポイントとその考察を語ってみることにしました。

「面白くて、退屈せずに観れた。特に、ポジティブな呪文は複雑なのに滅びの呪文が簡単で言いやすい所が世の儚さを表してるみたいで興味深かったかな...」

(浅はかだったかな、的外れだったらどうしよう)

そう思いながら、年間5本も映画を観ない俺が放つ、いかにもらしい批評めいた感想。
映画好きな男の脳内スクリーンにはどう映されるのか、その答えを待ちました。

『何それ?そんな長い呪文あった?そんな深読みしなくてよくない?』


...............へ????


同期の返答は、茹でたササミのように淡白でした。
マヨネーズをたっぷりかけたくなるほど。

俺は観終わってもなお、ジブリに対して、そしてジブリファンに対して身構え過ぎていたようです。

完全に拍子抜けした俺とそいつとのラピュタトークはそこで終わりました。

転んでもタダでは起きない俺

(転んだことにしている事実は一旦置いといて、)
俺は学びました。

人やものに対するハードルは上げすぎてはいけないこと。
多くの人が魅了される作品にはそれなりの理由があること。
大学時代に出会ったジブリファンのみなさんも恐らくあまり深く考えずに俺をイジってたであろうこと。

そして、

人や物事と触れ合う時は、なるべくフラットな状態であった方が本質が見えやすく、そのものの魅力を感じ取りやすいこと

そんなジブリとジブリファンに感謝しようと、 今ではそう思います。

そこから、新たなジブリ作品を全く観ていないのは、また別のお話......(ということにする。)

もし、これを読んで不快に思ったジブリファンがいたらごめんなさい。

ぜひとも、新たに出会うジブリビギナーがいたら、ジブリの森に優しく誘ってあげてください。

あと、このnoteも教えてあげてください。
(突然の宣伝依頼)


それじゃ、また。

P.S.
「レッドタートル」を観たことがあるジブリファンにまだ会ったことがないのですが、どなたかいらっしゃいますか?

ネタ元になりそうな本やコンテンツの購入に使わせていただきます。 気分が乗りましたら、投げ銭気分でよろしくお願いします。