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並んだ方の世界と、歩いた方の世界にいる俺

今の仕事は在宅勤務がメインで、固定の出社日は週に1回、その他は必要に応じて出社や外出をするスタイル。

なので、出社をする日のお昼は節約を意識した弁当ではなく、外食することにしています。(毎日出社している時は、曲がりなりにも弁当を作って持参していました。)

会社の近くなら自宅付近よりもお店のバリエーションも豊富なので、食べる・選ぶ・新しいお店を発掘するといったような楽しみがあって、在宅勤務と比べるとちょっと(いや、かなり)面倒くさい出社日の息抜き的要素になっています。

とは言っても、しばらくこの生活を続けるとお気に入りのお店たちという杭が出だして、行くお店も何店舗かに絞られてくるようになります。

せっかくの選択の幅を…!と思うかもしれませんが、美味しいと思えるお店が固まってきたのは良いことですし、普段行かないお店と絶交したわけでも出禁を食らったわけでもありません。
気が向けばいつでも行けるので、モテ男のごとく「手持ちでキープしてる」と余裕あふれる態度でいます。

その日お昼時の俺は、何店舗かの高頻度で行くお店の1つである町中華で酢豚定食を食べようと思い、自席から腰を上げてオフィスから出ました。

オフィスを出てから5分ほどでその町中華に到着するのですが、珍しく混んでいて、お店の外にハミ出るほどの列ができている…!(これまで、そのお店で列ができているのは見たことない)

飲食店の行列に並ぶのが苦手な俺は、それを見た途端に町中華や酢豚へのモチベーションが低下し、別の店へと歩を進めました。

そこからまた歩いて3分ほど、第2候補であった焼き魚が美味しい定食屋さんに到着。
そのお店は空いていて、すぐに座ることができました。

注文を済ませ、魚が焼き上がるのを待っていた俺はふと思いました。

(これ、待ってたらここまでの時間とどっちが早かったんだろう)

同じように考えたことがある人も多いかもしれない、パラレルワールドとのif比較です。

飲食の様な軽い選択でなくても、「あの学校を受験していたら」「あの人の告白をOKしていたら」といったパラレルワールドへの入口が突如として現れたことがあるかと思います。

(実は、待った方が早く食事が開始できたのでは…?)

同じように、何故かパラレルワールド側が秘める可能性に期待してしまうこともあるかもしれません。

「お待たせしましたー」

そんなことを考えてると、注文していた鯖の塩焼き定食が目の前に届きました。

よく焼かれたパリパリの皮に、箸を入れるとジュワッ…と滲み出る脂、ほっくりした身、白ごはんが進む塩加減。これは最高だ。

秋が見えてきたこの時期は、魚が美味しい。
季節限定の秋刀魚の塩焼きもメニューに乗っていて、美味しい季節のうちに食べようと思わされました。

町中華に並んだ場合のパラレルワールドが良い世界だったとして、今いる定食屋へ歩いた世界も悪くないじゃないか。そして、そう思えるなら選択は間違ってないんじゃないのか。

そんなことを考えながら、塩サバと白米を完食しました。

自分の選択に自信を持っていいんだと、脂ののったサバに教えてもらえた気がします。

1番書きたかったことが書けたんで、今日はこんなもんで。

それじゃ、また。

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