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コンプレックスだった転職履歴を誇りに感じた日

同じ会社で働き続けることができない

40代でマネージャー職として意気揚々と転職した4社目の会社を、たった半年で退職してしまった。

それまでは成長のために転職を重ねて、契約社員から正社員へステップアップし、3社目の会社では昇進もして、年収は入社時の2倍まで上がった(入社時の給料が安かったことも大きいが・・・)。

しかし、4社目をクビになったことで、すっかり自信を喪失してしまった。
1つの会社で長年働いている人と自分を比べて、仕事を続けられない自分は、なんて根気が無く、飽きっぽい人間なんだろうと落ち込んだ。

職種は企画営業・販促・マーケティングの軸から変えていなかったが、それまで勤めた4社は業種や業界がバラバラだった。

自分としては一貫したスキルを磨いていると思っているものの、人からは「随分いろんな仕事をしてきたんですね」と言われることもあった。
そうすると、誇りに思っていたそれまでの仕事さえ、「節操がない」と思われているのでは・・・と、ますます自信が無くなった。

転職履歴を「ユニークなキャリア」と評された

4社目でクビを宣告された後、すぐに会社を辞めたので、突然無職になってしまった。これも良い機会なので、以前からずっと通いたかった国内のビジネススクールへMBA取得のために入学することを決めた。

ビジネススクールでは、授業の冒頭で自己紹介を兼ねて各自のキャリアを説明する場面がある。そこで私のキャリアを発表したとき、先生から「ユニークなキャリアをお持ちですね」と言われた。

「ユニーク」という言葉は、日本では”ユニーク動画集”のように「面白い」という意味で使われる。
しかし、本来の「unique(ユニーク)」は、別の意味合いである。

unique類のない,珍しい;独特な,ユニークな;すばらしい

DICTIONARY/英ナビ!辞書

過去に専門商社で働いていた私は、海外メーカーが自社の技術や製品を「ユニーク」と紹介するのを聞いていたので、ユニークが”唯一無二”を指すことを知っていた。

先生は他に言うことが無かったのかもしれない、というのはさておき。
自分がコンプレックスに感じていた転職回数の多さや経験業種・業界の広さを「ユニークなキャリア」と評されたことは、とても嬉しく、転機になる出来事だった。

転職経験の多さは、きっと武器にもなる

ユニークなキャリアと評されて改めて考えると、業種や業界が違うからこそ得られたものが沢山ある。

たとえば、その業界で働く人にしかわからない独自の商習慣や業界ルール、業界構造などを学ぶことができた。同じBtoBの業界でもニッチな製品か、汎用製品かで、利益率は大きく変わる。業界で異なるビジネスモデルを実際に経験したことで視野が広がり、理解力も高まった気がする。

会社ごとに規則や決まり事があって、良い部分もあれば、悪い部分もあり、社員みんなが満足する会社なんて存在しないことも身に染みてわかった。
さらに、学生時代の友人が少ない私にとって、元同僚達は退職した後も大切な友人である。

同じ会社で長く働き続けることと、自分が求めるキャリアのために転職すること。どちらが良い・悪いということはなく、自分が選んだ方で努力し続けるしかないと、やっと気が付いた。

40代半ばで転職することは大変な道ではあるが、やっぱり組織としての力を活かせる会社員として頑張りたく、学業に励みながら次の転職先を探している。

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