え?何なのその男女関係。谷崎潤一郎と佐藤春夫のバトルと「痴人の愛」
「文豪たちの悪口本」をオーディオブックで聞いている時に気になった、谷崎潤一郎と佐藤春夫のバトル。
谷崎の妻と佐藤が、谷崎は妻の妹となんだかんだと、「…え?コイツら何やってんの?」と思って、男女関係を追ってみた、ツイートのまとめです。
谷崎潤一郎と佐藤春夫の手紙での喧嘩を聞いていたが、何なのかよくわからず、調べてみた。
谷崎潤一郎は妻の妹が気に入っていて、妻を放置。(妻の妹と男女関係になる)その間に友人の佐藤春夫が妻と仲良くなった。
谷崎本人はそれを知って、妻の妹と結婚するから、佐藤に妻をあげると約束をした。
谷崎の妻、千代と佐藤の間に不貞は無いようだが。
で、谷崎は義妹(妻の妹)にプロポーズするが、あっさり断られて妻の千代と元鞘に収まる事にする。
しかし、佐藤は千代に本気なので、(彼らが元鞘に収まった後にも)千代に手紙を送ったりしてて、谷崎激怒。
…ってところの手紙喧嘩をオーディオブックで聞いてた。
佐藤春夫が千代と、谷崎と千代の娘との食事の風景を描いた「秋刀魚の詩」が雑誌に載った。
(谷崎が妻の妹とイチャイチャして家を空けている最中に、佐藤は谷崎ンちに入って、谷崎妻の千代さんと、その娘さんと家族のように過ごして、食卓に秋刀魚がのったんでしょうねー。エモい初秋の夕暮れ風景ですかね。)
千代の目に入らないようにと、谷崎がコレが載った雑誌を近所の本屋で買い占めたりしたらしい。
(元鞘とはいえ、谷崎との関係に千代さんが満足してなく、寂しい思いをしてたら、「秋刀魚の詩」読んだあかつきには、娘連れて佐藤のところに行っちゃうだろうなーって想像できる程度には、やってる事がマズイと思ってるんですね、谷崎。)
しかし、谷崎、その後、千代と離婚。
千代を他の男に譲るという話を知り、佐藤春夫が千代と結婚した。
…そんな顛末。
(え?直球で佐藤に譲ってやればよくない?譲る譲らんとかあるならさ、佐藤でいいじゃん?谷崎さん?)
谷崎潤一郎と千代と佐藤春夫の話は大正時代の話なので、妻(女)=夫(男)の所有物的な考え方が今よりずっと強かったから、そういう時代の考え方や、谷崎の方が佐藤より立場が上なんだろうなって立ち位置も頭に入れて喧嘩書簡をみないといけないんだけど、さ…。
谷崎おじさん、ちょっとヒドイ。
…ナニコノオサーン( ・᷄ὢ・᷅ )イヤー って思ったんだけど、振り返ってちゃんと読んだ事ないから、小説読んでみようかなとか思ってみた。
佐藤春夫の詩も…秋刀魚を焼く煙が目に沁みそうだ。
参考動画
谷崎潤一郎の文学とその背景【第3話】最初の結婚とその破綻
オーディオブックの谷崎vs佐藤のお千代書簡(小田原事件)は、何で谷崎が佐藤に文句言ってるのかよくわからなかったんだけど…。
何度も聞き返してみて、谷崎が怒り苛立っているのは、佐藤の自己憐憫的な振る舞いや言動のようで、佐藤は佐藤で「谷崎はお千代さんいるしー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」って感じ?
谷崎と佐藤、千代にみている風景が違いすぎな件。
(妻の妹に乗り換えるつもりで、振られたアホな谷崎が、その間真剣に妻の千代さんに寄り添って佐藤に何言ってんだ?
しかも、佐藤、谷崎と正式に千代が別れるまでは関係を持ってなかったみたいだぞ?
…って思って経緯をしらべたら、谷崎は元鞘に収まったところで、佐藤が「俺可哀想」的な主張をする事に文句を言っていた。
佐藤は「谷崎さんは千代さんがいるじゃないか!ああ、千代さん!千代さん!」ってカンジ。)
なるほどー。↑
だから、谷崎は千代じゃなくて俺を見ろ!的な事を佐藤に書いてるのかー。
谷崎、なかなかの自分中心設計だな。
佐藤は千代まっしぐらだろうけど、千代はどう思ってたんだろ。
ちょっと #小田原事件 でTwitter検索しただけで、キャラ濃い谷崎潤一郎。
興味出てきた。
この流れを把握して、面白く読めるのは、痴人の愛と蓼食う虫と理解。
(そしてここから「痴人の愛」を読み始めた。)
谷崎潤一郎『痴人の愛』の読み始めは女性の衣服やしぐさへの目線の豊かさというのか、こだわり世界を、大正ロマンなカラコンをつけて読んでた。
いま、ナオミと夫婦になったあたり。
文豪が(今の)私より若い時期、「とにかく女好きか?そうだな」という視力矯正がはいりはじめた。
女性の服装、着物の描写に「美しく愛おしいモノ」感を感じて艶めかしいぞ、谷崎潤一郎。
服装に関する無関心は自殺に等しい…っていう言葉あるしね。いのち。
河合さんとナオミがロシア人にダンスを習って、ダンスホールに行くようになるところまで来た。
『ふたりの世界』が壊れ始めてきたが、まだ夢と現の境界が曖昧、河合からナオミへの視点も揺らいでいて、ナオミのマウントの原点もなんとなく察してしまい、妙に感じ入っている。歳とったなーと。
寝付けず、読み終えた。
直後、ヨーロッパ映画みたいだなと思った。
スペインかフランスかとうんうん考えていたが、舞台はやはり大森あたりでいい。
最後の河合さんとナオミのやりとりのシーンとか、いや、全般的にフランス映画の画面、パトリス・ルコントだった。
多分、脳内映像は逆輸入の谷崎。
まとめてみて、まだ読んでなかった、佐藤春夫の「秋刀魚の詩」を青空文庫から引っ張ってきた。
で、千代はどうしたかったのかなー?
これ読んだら、佐藤のとこにすっ飛んでったかなぁ?
なんて考えられるのは、マキシマム高度経済成長時代産まれだからかな。
いや、今でも、今も昔も変わらず、誰でも、佐藤も、浮気する谷崎すらも、自分が本当に望む「男女の縁」を選べるのは稀有な事なのかもしれない。
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