些細なことでセクハラになる今はほんとに息苦しい時代なのか
ときどき会社の飲み会等で言われることはないだろうか。「最近は、セクハラとかパワハラとかにうるさくて息苦しい時代だよね。」と
私も言われたことがある。
「髪の毛切った?だけでもセクハラになるらしいよ。若い子と何話せばいいのか分かんないわ笑」と。
髪の毛を切ったかという話題をすることがセクハラに該当する可能性があることは知らなくて、単純に驚きだった。
「そうなんですか!難しいですね〜、関係性にもよるかもしれないですね。」というような回答をしたが、なんだか数日モヤモヤした。
モヤモヤの原因が分からなくて、言語化できないことにもどかしさを感じた。
ある時、和田真里奈さんのエッセイ『寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤはなんだと言うのか』(大和出版)にこんなことが書かれていた。
“夜のお仕事をかじっていた一時期、「最近はなんでもすぐセクハラ って言われちゃうからさあ」とステレオタイプな愚痴を吐くおっさんに出くわした。
フフフと笑い流すべきだったのかもしれないが、私は「そうですね! 時代はいい方向に向かっているということです」とハキハキ答えてしまったので、あとからママに裏へ呼び出され、こっぴどく怒られた”(和田,2019,153,,ページ)
これを読んだときはっ!!とした。モヤモヤの原因が分かる糸口が見つかった気がした。同時になんて、軽やかで素敵な回答だろう!!と感動してしまった(笑)
私のモヤモヤの原因は恐らく2つあった。
1つ目は、「何話せばいいか分かんないんだよね。」と伝えることによって、「セクハラ的な発言しちゃっても、故意じゃないから許してね?」と予防線を張っているように感じてしまったことにある。そう言いたくなる心理もわからなくはない。気をつけようと思ってるからその発言が出たのかも、とも思った。しかし、(私の周りだけかもしれないけれど)、そういう発言をする人ほど、飲み会で若い子に「かわいいねぇ」と絡んだり、「こないだキャバクラで〇万円使っちゃった」「男はみんな年になったらおっぱいパブとか行くんだよ」と話している。そういうとこだぞ〜、と思う。(笑)ほんとに気をつけてる人は、わざわざ自分から気をつけてると言わない。けれど、発言に配慮してるのが伝わってくるし、そのおかげで居心地よく過ごせる気がする。
2つ目は、心の奥底では「今の時代別にいいじゃん」と思っているのにそれが言い出せなかったこと。正直、「何を話せばいいのか分かんない」と言われたけど、心の奥底では「セクハラに該当しない話なんていくらでもあるし、お互い気をつければ、気持ちよく過ごせるのでは??」と思っていた。雰囲気的に口に出せなかったけど。そして、雰囲気を悪くしたくないからと「そうですか?私はいい時代になってきてると思います(^^)」とポジティブにさらっと言えなかった自分にもモヤモヤしていたのだ。
そもそも「髪の毛切った?」と言われて「セクハラだ!」と感じてしまうのとしたら、その前段階でセクハラに該当するような発言をしてしまってるのではないかと思う。本人が嫌な気持ちにならないかは関係性によるところも大きいはずだ。(信頼関係があっても言ってはいけないことはもちろんある。)
何がセクハラに該当するか難しい、のはそうかもしれない。けれど、今までスルーされてきてしまっていた部分もそれぞれが気をつけることで、お互い気持ち良く過ごせる社会に変化しつつあるんじゃないかと思う。
また同じようなことを言われたら、「いい時代になりましたね(^^)」と返す、と心に決めている。(笑)