チームの「自律的成長・高い生産性」は『目的と文化』が作る!
チームの「自律的な成長」と「高い生産性」を実現するためは、共通してあることが重要です。それは、
チームに『目的』と『文化』が備わっていること。
先ずは、何故わざわざ職場に「目的」を明示する必要があるのか?についてですが、
私たちが「目的無きワークライフ」に全力を注げないことは、既に歴史が証明しています。
コルホーズの失敗から見る『目的』の重要性
コルホーズの失敗の一因は、就農者へ目的なきワークライフを強制したことによる生産性の低下です。
コルホーズというのは、旧ソ連の時代に行われた国主導の農業政策で作られた集団農場のこと。
工業化を進める為、外貨を獲得すべく“元々生産量が高かった”穀物を国主導で作らせ始めたのですが、
命令に従わない元々いた自営農家を収監し、農民からパスポートを奪い、都会に移動することを禁じて専念させるなど、目的を持つ機会や自由が制限された環境下で就農を強制していました。
で、そもそも農業ってとても過酷な仕事。
筆者も一時期農業に関係する仕事をしたことがありますが、数ヶ月のヘルプが限界でした。だから夏場の農家は驚くほど真っ黒でムキムキです(笑)
結果、コルホーズでの生産は大失敗に終わります。
簡単な話、彼らの生産性がとても低かったのです。国の監視下にあり「自分達の命が掛かっていた」にも関わらずです。
農業業界にある5億円の壁=生産性の壁
農業業界には「5億円の壁」という言葉が存在します。
多くの農業法人や農業生産法人は拡大していく中で、売上が5億円を手前に止まってしまうそうなのです。
先程もお伝えした通り、農業はとても過酷な仕事。
よほど社員が農業に対する強い目的意識を持っていない限り、経営者の目が行き届かないところで、必ず生産性が下がります。(≒サボる)
つまり、経営者の目が行き届く範囲で、Not自律的に作らせることのできる収益の限界値が5億円なのだそうです。
チームの「目的」がケイパビリティの『理想形』を作る
あなたのチームが存在する目的は何ですか?
この質問に直ぐに答えられるリーダーや職場は少ないし、そもそもそんなことを考えなくても、あなたの前には既に遂行すべき業務があるのでしょう。
しかし、今の業務内容・やり方は本当に”正しい”でしょうか?
「え、いや。正しいかどうかとか聞かれても、分からないです。もっといい方法はあるのかもしれませんが…」
そうなんです。正しいかどうかは『何を目指していて、何を優先するのか』によって変わってしまうのです。
農業を例にあげるなら、目的が
安全な作物を作る!
農家を育てる!
食糧難を解決する!
とある場合、それぞれ優先すべきは
使用する農薬や肥料を国際基準に則る
全ての作業工程を経験させる
少人数で大規模出来る遺伝子組え技術を使う
に変わってしまいます。
目的がなければ理想像を描けず、理想と現状のギャップを埋めるために、ケイパビリティ(経営学で言うリソース+オペレーション)を最適化することはできないのです。
多くの企業において『オペレーションを最適する手段』であるDX化が進まないのは、その前段階の「目的」を持っていない職場が多いからなのです。
目的は『共感』によって実現される
実際これが多くの職場で発生する本音だと思います。変化はメンドくさいんです。
リーダーが掲げるチームの『目的』や『ミッション』には、その面倒なことを受け入れるだけの『共感』が無ければ、誰もついてはきません。
トヨタの「かいぜん」が有名になって久しいですが、現場で同じように改善を徹底できる企業が少ないのは、
面倒な改善を徹底するだけの目的と、それを促す『文化』が前提にあるからなのです。
『文化』はリーダーへの尊敬や憧れから作られる
社会行動学の視点で見ると、文化が生まれる仕組みは下記の流れになります。
つまり、文化を意図的に作るには、最初に行動し始める人が、他の社員から模倣される程の尊敬を集めなければならないのです。
これこそが、マネージャーに合理性や一貫性のある態度が必要な理由でもあるのです。
まとめ
残念ながら日本の教育システムには『目的を作り、広める』力を育む機会がありません。(勉強・受検・就職など”やるべきこと”が予め用意されている)
そのため、生産性の向上に、最適化ではなく、最大化を求めてしまうことが、ハラスメント問題や鬱病発症率の増加を生んでいる一因でもあります。
健全な経営組織を目指す上でも、是非この『目的と文化』について考えを巡らせて頂きたいと思います!
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