社員の『生産性』を高める人材育成とは?
今回は多くの経営者や人事担当が悩んでいる
“なぜ人材が育たないのか?”
について『生産性』の切り口から原因と解決方法の一つをお伝えします。
中小企業の悩み1位は『育成と採用』
中小企業の「経営者の悩み」について調査された、
様々な統計データを見て貰うと
人材が育たない
優秀な人材が採用できない
この2つの問題は必ず上位に出てきます。
私のお客様でも『人材育成の目的』は様々ですが、
本質的には
社員のパフォーマンスを高めたい(生産性の向上)
新しい取り組みの足掛かりを作りたい
この2つに集約されるのではいでしょうか。
企業が行う「育成」とは?
企業が行う人材育成の施策について統計を見てみると、多くの場合「研修」という形で
個人への『学習機会』の提供
に偏っていることが見て取れます。
また、企業研修全般に言えることですが、
かけた費用に見合った効果を得られているのか?
この測定は難しく、
研修の妥当性を評価できない
研修を受ける社員のモチベーションが低い
などの悩みを抱える企業は多い様です。
研修は『生産性』を高めるか?
企業の人材育成投資が、
「従業員の生産性」にどう影響するのかについて
定量的に測定したアンケート調査があります。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/Productivity_report_vol.17.pdf
この調査は4,000人以上の母集団に行われており、
結果に対する信憑性は高いものの、
「主観に基づいた計測」であることが前提ですが、
結果、企業が行う既存の人材育成は
社員の生産性に直接影響しない
可能性が高いことが分かっています。
少なくとも、研修を受けた社員たちは
「業務パフォーマンスが高まった」
とは感じていないのです。
目指すは『環境の最適化』
同調査の中で、生産性を高める要因についても書かれています。
コレをざっくり分かり易くお伝えすると、
より効果的・効率的に業務を行うために、ルールや手順を積極的に変えられること。
深く・多角的に問題を分析し、新しい解決法を試せること。
つまり、社員が
『主体性』や『問題発見・解決』能力を
発揮できる”環境”があるかどうかこそ
社員の生産性に大きく影響しているのです。
組織と現場の間にある”認識のズレ”
私自身も、人事責任者やチームコーチとしての経験上、
社員の「主体性」や「問題発見・解決」能力は
組織やチームの中で出来上がった『環境や文化』によって、
制限されている職場が圧倒的に多いと感じているのですが、
どうやらココに認識のズレがある様です。
コチラは採用において、企業が求める人物像についての統計。
企業も「主体性」や「問題発見・解決」を重要視していることが分かります。
しかし裏を返すと、「主体性」や「問題発見・解決」を
”個人の能力”として捉えてしまっている
認識の違いこそが、環境や文化の改善を遅らせてしまっているのです。
生産性の高い『環境・文化』を作り上げる手法
一定水準のリテラシー
チームの目的への共感
個人の目的や得たいモノとの擦り合わせ
判断、責任範囲の明確化
…etc
生産性を向上させる要因は様々ありますが、こういった組織やチーム内の「環境・文化」を作る手法こそが
『チームマネジメント』
であり、これを作ることができるのは、代表を含めた
『マネージャーやリーダー達』だけ
なのです。
まとめ
これまで多くの企業は、
個人へ学習機会を提供することにより
『能力の最大化』
を行ってきました。
しかし、この変化のスピードが速い時代には
目的に対する『環境・文化の最適化』を行い、
自律的に成長をするチームを作る必要があるのです。
補助金により実質的に安価であるのをいいことに、
垂れ流され続けている効果の薄い研修の時間を
今こそ見直すきっかけになればと思っています。
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