引き止めてくれたもの
「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の9話を見て改めて感じたこと
今回は育児ノイローゼによりオーバードーズを繰り返す母の話だった。
私と重なってしまって泣いた。
私が鬱になった要因は私と子供の発達障害の発覚と対応、仕事、保育園の転園などが重なった忙しさと毎日がほぼワンオペだったことにより私の許容量を大幅にオーバーしたことだと思っている。
当時はまだ私の中で夫婦間で話し合いができるという期待があった。
しかし、旦那は話をしても視線はテレビ。挙げ句の果には話を聞きながら眠る始末。
こんな状況が続き、とうとう私の精神が折れた。
旦那は「育児」が原因と考えていたようだが、私に言わせれば何度話し合おうと思ってもまともに取り合わなかったあなたが根本の原因だと今でも思う。
鬱になるとどうしても希死念慮、「死にたい」という思いがまとわりついてくる。
「アンサング・シンデレラ」の中ではオーバードーズで苦しんでいたが、これも希死念慮の一つの方法だろう。
当時の私は駅のホームなどでは、ふらっと線路や道路に飛び出したらどうなるだろう。
高いところに行けば、ここから飛んだらどうなるだろう。
お風呂に入れば、このまま沈んだらどうなるだろう、と考えていた。
幸い救急車のお世話になるようなことはなかったが、なぜ踏み留まれたのかといえば子どもたちの存在だ。
子供と一緒に行動していれば、子供は騒ぐし、危なっかしい。
それでどうにか気が紛れていた。
一人でお風呂に入ったときは沈んでしまったが、様子を見に来た息子の声で我に返った。
それからは私の状態が落ち着くまでは駅のホームでは線路から一番離れる壁際で待ったり、湯船には入らずシャワーで過ごした。
「アンサング・シンデレラ」の中での母親はオーバードーズで入院中に子供と離れることを決めた。
私も一番ひどいときにはこんな母親に育てられて可哀想だと子どもたちを施設に預けることも視野に入れていた。
だが、子供と離れていたら、もっと悪化していたかもしれないと「アンサング・シンデレラ」を見ながら思った。
今では本当に手放さなくて良かったと心から思う。
現在でもまだ服薬は継続中だ。
しかし、症状も安定してきている。
鬱になった一因は育児。だけど、子どもたちがいたから救われた。
子供は生命力だ。
私に生きる勇気を与えてくれる。
確かに育児は大変だ。子供も憎まれ口を叩いたり、いたずらもする。
だが、私をこの世につなぎとめてくれた天使たちだ。
この子達とゆっくり進んでいこうと思う。
うまのしっぽ