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一人暮らし#1

ちょうど今日研究室の同期が最後の通学を終えた。
彼女はこれから勤務先で初めての一人暮らしをするという。
SNS等がインフラのようになって、春という季節が別れの季節という感覚も薄まっていく中、しかし、当人にとっては新生活の中でいろいろと苦悩や逆境なんかもあるかもしれない。
今後の新生活に幸多きことを。

大学生として仙台で一人暮らしを始めた当初は、詳しい事情は忘れたがとにかく街を駆け回っていた記憶がある。
おおよそそこらへんの高校生と変わらない生活を送ってきた僕は、一人暮らしをするための知識やら経験やら何もないまま生活をスタートした。

銀行に行って口座を開設するのも、大学生協に行って保険に加入するのも、ガス会社に元栓を解除してもらうのも、全てが初めてづくしで非常に刺激的なスタートだったことを覚えている。
ただ真に刺激的な体験はそれではなかった。

家に帰らなくて良い

これが一人暮らしをする上で最も衝撃的な事実であった。
誰に連絡する必要もなく街や友達の家で夜を明かせる、というのは一人暮らしの大学生の特権ではないかと勘違いし、無駄にカラオケで徹夜し、夜更けまで飲み明かし、公園のベンチでホームレスであるかのようにまどろみの中で朝を待った。
これにより(はためから見れば)僕の大学生活は3割ほど無駄に経過してしまった。
...全くもって良い思い出。

今思えば、それまで親に必要以上に束縛されていたわけでもないのに、自分がそれほど自由(というかもっと低俗な欲求)を欲していたことに呆れてしまう。
現在は一人暮らしビギナーから卒業し、いたってシステマティックな生活を送っている。洗濯とか掃除は半自動化(思考を要さないという意味で)されたし、何より食生活が比べ物にならないくらいまともになった。

一人暮らしを始めて7年になるが、振り返ってみると、基本的な生活習慣の変化が停滞していた時期はないように思える。たとえその時はそれがベストだと思えたとしても、必ず遠くない未来にそのベストな選択が更新される時が来るのである。
それが交友関係や大学での環境の変化によってもたらされたものなのかそれとも自身の内面の変化なのか。
もちろん、様々な内外の心境、環境の変化が影響しているのは間違えないが、一度どのような環境の変化が自分にどのように影響を及ぼしてきたのかということを省みて精査するようなことがあってもいいかもしれない。
その上で今の日常における変化が自分の行動や内面にどのような影響を与えているのかをなるべく客観的に観察してみたい。

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