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自分にとってのドラえもんの存在

 ドラえもん。説明はいらないだろう。日本発の世界的人気アニメだ。

大人の自分とドラえもんとの〝出逢い〟
 ドラえもんファン歴は意外にも浅い。去年、世間がコロナを騒ぎ始めた頃に遡る。
 脇田あすかさんというグラフィックデザイナーのあるtweetが目に止まった。

 一目惚れだった。ほ、ほしい...
 今思えば、ドラえもんに、ではなく漫画のドラえもんに。ドラえもん×アートに、胸が高まっていたのかもしれない。

 誕生日が来た。8月13日、獅子座。ちょうどその頃ドラえもん50周年ポスター第2弾が発表されていた。

 子どもの頃から紙媒体のとりこだった。小学校は図書室が何より好きで、将来の夢は新聞記者。
 一生手元に残る紙という素材の温かみもまた、良かった。

 言わば子ども心の再燃という感じだろうか。子どもの頃見ていたドラえもんと、ざらざらと高級感ある、大人びた蛍光色デザイン。こんなの、大人の自分でも欲しくなる。

 本屋にのみ飾られているこの非売品ポスターが、誕生日の直前フリマアプリで偶然売られていた。
 大人になると、ドラえもんに頼らずとも自分で買えてしまう。そうして自室に訪れた。自分の誕生日プレゼントとして。

「しあわせだなあ。」「ぼくだって。」

  今も寝る前に必ず目にする「紙のドラえもん」。自室に居候する記念すべき1体目となった。

ドラえもんの名言
ドラえもんファン界隈で、「ドラえもんの名言とは?」と尋ねても議論がまとまることはないだろう。
 名言が多すぎるし、なんたって公式ですらドラえもん名言集や名言トランプが存在する。
 と、選べない前置きのもと自分はあえて選んでみる。

「あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。」

 映画にもなった「のび太の結婚前夜」という作品のセリフ。
 ドラえもんや仲間たちと感情・感動を共有し、友達の不幸を許さず、幸福を誰よりも祝福する。(たまーに真逆なところもある。。笑)
 先で「初めて」と「子ども心」を投稿した。そこでもあったように、人に寄り添い、悲しみも喜びも共有できるような人間になっていたい。


強さと弱さ
のび太はドラえもんと一緒にいることで成長する。ただ、強くなった時にはドラえもんはもう必要なくなってしまう。
 今の自分は子どもの頃ののび太かもしれない。
 最近、仕事をしていて上司との会話が増えた。仕事の理想って、やっぱり自分がなんでもできてパーフェクトな社会人に決まっている。そう思っていた時に上司から漏れた一言が心に残った。

「俺はできることが少ないし苦手なことだらけ。でも、だからみんながいるんだ。」

  仕事は一人じゃできない。弱さを知り、自分が苦手なことをできる人がいて、みんながカバーしあって仕事が成り立つ。
 仕事に限った話じゃないのかもしれない。ジャイアンといういじめっ子も、スネ夫という意地悪も、しずかちゃんという好きな人も、ドラえもんという頼れるロボットも。時に助け合い、みんなで危機を乗り越える。
 己の弱さを認め、一人じゃない強さを知ったから、のび太は大人になれたのだ、と自分は思う。

 ドラえもんがいなくなっても強く生きられるよう、人に寄り添えるように。まだまだとことん、ドラえもんに頼らないと。

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