勿忘草をさがして【読了】
先日久しぶりに単行本の小説を買いました。
真紀涼介さんの処女作となる作品で、東京創元社から出版されています。
私は学生の頃からミステリ小説を読むことが息抜きでしたが、特に好んで読んでいたのは殺人事件などの人の死が絡まないミステリでした。
今回読み終えたこの作品も、短編連作の形を取りつつ、その中心に据えられているのは植物の知識・美しさ・一種の儚さのようなものです。
青い時代の人間模様と植物🪴の魅力が混ざり合う時、こんなにも素敵な文章に巡り合えるのかと幸せな心地でした。
詳しい内容に触れることはしませんが、私の好きだったChapterは「春の匂い」「呪われた花壇」でしょうか。このふたつの作品は拓海という登場人物の人柄をより鮮明に映し出しており、私は彼のことがとても身近に感じる存在になったので選ばせていただきました。
慌ただしい季節ではありますが、この新緑の時分に道端で、花壇で咲いている花々へ目を向ける心の余裕は持っていたいですね。
読書をすることで心の休息を取る、身体を労わるそんな時間でした。
また書きます。
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