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Victoriaの空は、濃く青かった

September 7th 2013@NARITA Airport

初めての長期留学。やっと掴んだ憧れの大学での生活。

この時の私は浮かれ気分を隠そうともせず外を眺め、まさか飛行機の遅延によりトランジットに失敗するなんて、夢にも思っていなかった。

一発勝負の乗換タイムトライアル

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 小鳥遊家は、家族旅行をしたことがない。だから大学生になるまで私は、飛行機というものに乗ったことがなかった。旅客機に関する知識といえば、キムタク主演の某連続ドラマで得た程度。

(何十回と見るほど大好きです。柴崎コウ様に憧れた日々。)

 空港に到着した私を待ち受けていたのは、搭乗予定便の「時刻変更」の4文字だった。人生2回目のフライトで発生した、小さなイレギュラーに不安を感じながら保安検査場を通過したことを覚えている。

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もともと極度のビビリで不安体質。石橋を3日程かけて四方八方叩きまくってから渡るタイプの人間だったので、搭乗し席についた頃には既にお腹が痛かった。本質は今も変わっていないけれど、仕事を始めて国内旅行に飛行機を利用できるようになってからは、胃薬を持ち歩いていない。慣れた。

 腹痛と闘いながらVancouver空港に到着した時、トランジットで与えられた猶予は15分程度だったと記憶している。入国検査を通り次の搭乗口まで走っても30分はかかると事前に聞いていたので、顔面真っ青になった。

脇目も振らず搭乗ゲートへ急いだが時既に遅し、ここで海外生活1度目の壁にぶつかる。

まさか現地に到着するまでにこんなトラップが仕掛けられているなんて……英語で上手く説明できるだろうか、次の便に空席が無かったら……? 文字通り途方に暮れ、泣いた。

 偶然次の便に乗る予定だったVictoria在住の日本人女性に、神の手を差し伸べていただき、空港でエージェントと合流できた時には「早く寝たい」しか考えられないほど疲労困憊で、何を話したかあまり覚えていない。

軽い散歩と夕暮れ

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  家に着くなり軽い昼寝(約3時間)をして体調万全になったので、夕方は近所の散歩をした。横断歩道ひとつを取っても目新しく、日本とは走行レーンが違う国道に胸が躍った。

今日の夕焼けは、きっと忘れない。忘れたくない、とシャッターを切った。

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いよいよ登校日の朝

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 時差ボケという言葉をご存知だろうか。英訳するとjet lag。私には脳のバグとしか思えない、これはJET BUGだ。当時よく耳にした時差ボケの定義は「夜眠ることができない」だったので、寝ることが大得意な自分には縁の無い症状だと、たかを括っていた朝。

や ら か し た。

目を覚まし時計で時間を確認。始業時間15分前、家から大学まではバスで10分。あの時の気持ちはまさに「絶体絶命」だ。今でも鮮明に思い出せる。

家を5分で飛び出したのは、後にも先にもこの1度だけなので貴重な経験だったと今は感じている。二度と経験したくはない。


 こうして私のドタバタVictoria生活は幕を開けました。

ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。誤字脱字等読み辛い箇所がありましたら申し訳ありません。

次回は……First Termの期間について綴ってみようと思います。よろしければまたいらしてください。

Sora

読んで下さって、ありがとうございます。