モーニング娘。'22「Chu Chu Chu 僕らの未来」

耳馴染みのいい、どこかで聴いたことあるものを散りばめることが聴きやすさなので、J-POPには基本的にそう言うものが多い。〇〇年代風、モータウン風、メタル風などなど…売れてるかどうかは別として、商品としてリリースされる音楽作品は基本的にそうした基準点みたいなものをクリアしているものが大半で、ジャンルごとに区切られた中では似たように聞こえる(あえてそうして聴きやすくしている)ように出来ていると思う。

「Chu Chu Chu 僕らの未来」は不穏な笛の音から始まるというなんとも不思議で不気味な曲。正直聴いたことないけど癖になる、日本にはまだない未開の音楽に思えた。

この曲のみならず、久々にモーニングの曲に触れていると思い出すことがあった。

それは小学生時代、恋愛レボリューション21を聴いた時のこと。今思えばディスコリバイバルのような気もするけど、当時はディスコがどうとは全く知らなかったのでとっても斬新、何これ?と思いながら気持ちいなと感じていた。実際あんな絶妙な曲は日本にしかないと思う。

よく考えてみるとあの頃の音楽は大体聞いたことのないもの、ちょっと未来に流行るかも?みたいな最先端が詰まっているのがJ-POPという印象だった。今もそうなのかもしれないが、流行りに乗った2番線路のものも売れるのも確かだが、1番目に走る人が必ずいた。そうやってJ-POPの限界を更新していく、聞いたことない最新の、もっと言えばちょっと未来の音楽を紹介してくれるのがJ-POPだった気がしていた。

みたいなことをつんく作品を聴きながら思ったのであった。全曲がそうとは言い切れないけど、既存の音楽ではないコンセプトに行き着いた作品が近年でも要所要所に出されているなと思う。つまりつんくさんは作品作りの感覚(J-POPをつくるということの意味)が何も変わっていないのだなあとも思った。

と言う感じであの頃のJ-POPにワクワクした気持ちを再び呼び起こされた気がする「Chu Chu Chu 僕らの未来」。こんなに楽曲としてJ-POPの先頭争いができるグループはなかなかないので、メンバーにはもっと誇り高く思っていてほしいなと思いつつ、もう思ってるかもなとも思う。

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