推し活≒擬似祖父母体験

アイドルなどいわゆるファンというのは大体がガチ恋でその他は擬似子育て体験だと思っていたけど、最近は擬似祖父母体験なのではと思えてきた。もはや孫と言ってしまうファンもいるように、距離感的にも遠方に住む祖父母の方が近い気がしてきたからである。

まず直接育成に携わっていないという点。プロデューサーや作曲家やボイトレ・ダンスの先生は文字通り先生、マネージャー等スタッフを親と考えた時、ファンは発表会だけ見にいくということでまさに祖父母。ブログで近況を断片的に知ることができるというまさに祖父母。たまにプレゼントを贈る(貢ぐ)というまさに祖父母。これは疑似祖父母体験としか言いようがないのではないだろうか。

オーディション番組を見ることも疑似祖父母体験だと言える。まずエントリーが生まれた瞬間であり、容姿・性格・実力から孫を選べる。実際には孫は選べないのでかなり贅沢ではあるが、本当の孫ではないので選べる。つまり理想の孫を選んでいるのである。

そこからオーディションをどんどんと勝ち抜き、孫はみるみる成長する。成長すればするほど自分のことのように嬉しくなる。孫の成長というストーリーを消費しているのである。デビューという最終回に向けたストーリー。ドラマよりも不確定な未来なので感情もよく入り、ますます気になる存在に。孫よどうしてこんなにかわいいのかよ状態に突入。

そして勝ち抜いた瞬間、えも言われぬ感動に襲われることだろう。孫よよくやった、おめでとう。自分のことのようにルンルン。自分は何も成し遂げていなくとも、孫と決めた孫の夢の実現は感動的以外何者でもないのであった。

デビュー後の方が疑似祖父母体験は加速する。ブログ等で近況を断片的に知ることのほか、CDやグッズ、場合によっては会話できたりする権利を購入することでより育成感覚を味わうことができる。親より少し離れた祖父母的な距離感を保ったまま、遠くに住んでいてお金を払えば会えなくもない孫。ますます孫感は増していくのであった。

のようにアイドルに関してはこんな感じだが、他にアニメのキャラクターに対しても似たような感じになるような気がする。アニメの場合お金を出す(Blu-rayを買う)ことで続編が作られるみたいに推しの新たな姿を見るためには必須なので死活問題な気もする。

なんにせよ、子育てというか孫育てが人生で最も面白いストーリー体験、エンターテイメントなのかもしれないなと思った。

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