ドール沼の浅瀬で実感した、ドールが居る生活を通した『楽しみ』の拡張
上記の記事の後日談です。
以前のnoteで予告した通り、3月2日に初めての本格ドール……アゾンの『ミミ―ガーデン博物誌』シリーズ、チピィちゃんをお迎えしました。
今回はチピィちゃんが居る生活を通して得た気付きをさらっとまとめていきたいと思います。
まずは『ドールは自身の生活用品を集める』ということ。
ドールは仲間を呼ぶ、という格言がお人形趣味界隈でささやかれているようです。今回のチピィちゃんも、お迎え順としては一番乗りとなりましたが実際は『呼ばれてきたお友達』側です。詳しい経緯は以前の記事にて。
しかし、それ以前に、ドールさん自身を映えさせるための付属品を呼ぶんですよね……。
最初は元々家にあるインテリアや雑貨、ぬいぐるみと合わせて写真を撮るだけでも大満足なんですよ。
しかし、一通り思いついた構図を試したら、もっともっと! と欲が出てくるものでして……。
例えば“カーペット”。撮影場所は基本自室なので、チピィちゃんにとっての“床”として、高確率で自室のテーブルを使用することになります。
ですが、あまりに、あまりにも! 生活感が溢れている。使い込み感しかない、何なら脂が浮いているちゃぶ台であることが丸出しです。
写真から家具をシャットアウトする背景として『折り畳み式・ステンドグラスの壁』を購入したのですが、いくら背景が綺麗でも、床がコレだと……ねぇ……。
なので清潔感を出すための“カーペット”として、百円ショップでシートクッションを購入しました。折り畳み背景とも丁度良いサイズ感。
居心地の良さを追求して毛足の長い製品を選んだので、足元がフラットにならずドールの自立が難しくなるというデメリットはあったのですが、背景と合わせたお部屋のコーディネートとしては満足できるものになりました。
さて、これまであまり意識していなかったのですが、百円ショップって色々なミニチュアインテリアがあるんですよね。
――チピィちゃんに丁度良いサイズ感では?
そんな訳でカーペット(シートクッション)と同時にビーズクッションや照明器具も購入。いい感じにお部屋になってきました。
ところで、ミニチュアといえば他にも良いもの、ありますよね?
まさしくミニチュアのジオラマ形成を目的とするような既製品ミニチュアセットが。
商品名を言っちゃうと、リーメントの『ぷちサンプルシリーズ』ですね。
このぷちサンプルシリーズ、近所のショッピングセンターに入居しているファンシーショップにて陳列されていたんです。たまたまそれが目に入って……。
――これ、チピィちゃんに丁度良いスケール感じゃない? 椅子とか座れるんじゃない?
そう閃いたと同時にお財布の門は開かれました。
雰囲気的に組み合わせられそうだなぁと思って『天文学者の不思議な研究所』と『名探偵の部屋』というシリーズを一箱ずつ購入してみました。
『海辺の温泉宿』『薔薇の国の宮殿』あたりもだいぶ惹かれたのですが(なので再びお財布の門が開かれる日は近いと予言します……店頭から消える前に)まずはシックな洋風のお部屋を目指してみようかと。
漠然と椅子系の家具が欲しいなぁと思っていたら何と両方の箱に椅子が入っていました。座れるけど、流石にちょっと小さいかな。どうにも脚を伸ばし気味にしないと座った姿勢になれません。もう少し大きい素体だったら難しかったかも。
でも『お部屋感』が増したし、お洒落な小道具も手に入ったので満足なアタックでした!
こういう、特にドール用品ではないミニチュア趣味のための玩具がしっくり来るのは1/12スケールだからこそだなぁ……と、自らお人形遊びをすることで実感しました。組み合わせる品の選択肢が広い! ドールさんに使えないか? という視点でジャッジする回路が生まれつつあると感じます。
で、同サイズの椅子が二つゲットできたということは……そこに座るお友達を呼んでいるとも捉えられませんか?
同スケールのドールさんをお迎えするのも遠い将来の話ではないかもしれませんが、今のところはジャストサイズのお友達としてシルバニアファミリーの赤ちゃんを採用しています。
『シルバニア赤ちゃんコレクション』シリーズで出会ったシカの赤ちゃんです。
ツイッター界にてこのシリーズを推す漫画を以前目にしていて、それから何となく興味を惹かれていたシリーズだったんですね。
シルバニアファミリーはお迎えしたことがない(子供時代も含めて、なかったはず)のですが、可愛さは一目瞭然ですものね。可愛さにストイック。
これまた家電量販店のおもちゃコーナーにてシルバニアファミリーが陳列されているのを見かけたのですが。
――チピィちゃんと並ぶと可愛さが最強なのでは?
という天啓が下りたので、赤ちゃんコレクションを一袋購入してみた訳ですね。
そうしたら、まさしくチピィちゃん基準でも『赤ちゃん』として丁度いいサイズ! しっかり抱きしめられます。そして可愛さが相乗効果されます。私の目に狂いはなかった。
ジャンルが異なるお人形でも『可愛い』の名のもとに無限に結束できるんです!!
こうしてインテリアを揃え、お友達を選定して、スマホカメラでひたすら撮影する中で浮かんだのが。
もしかして、コスプレイヤーさんが撮影会で感じている喜びってこれに近いのではないか? という気付きです。
コスプレ経験がない私が勝手に言っていることなので、的外れでしたらそこは申し訳ございません。
『この子』をこういうシチュエーション、ロケーションで表現したい。こういう情景を表したい。
被写体、主体である『この子』を人間が演じるか、ドールさんが主体そのものになるかの違いであって、三次元の画を通して理想の光景を創作するという点では共通しているのでは?
もちろんコスプレの楽しみはそれだけではないでしょうが、こうなのではないかな? という推測が一つ生まれたのは収穫でした。
創作色は薄くなるでしょうが、一般的な自撮りの楽しみも地続きではあるのかもしれませんね。
私はやっぱり『可愛くない(自虐ではなく、自分の姿を鑑賞品としても自分が萌えない)』ので、自分の写真を残したいとはそれでもあまり思えないのですが、可愛くて、萌えて、愛しいチピィちゃん、そして数々のドールさんの写真はいくらでも撮りたい! 表現したい!
そういう、撮影の快楽という側面に関しては身をもって理解できたかな、と一方的に思っています。
お恥ずかしながら、当初目標に掲げていたドールさんのための小物(魔法の杖とか)の制作などは正直後回しになっているのですが、楽しむことを第一にドールさんと暮らしていきたいと思います。
ドールは生活の楽しみ方の切り口を増やし、新しい思考の角度に気付かせてくれる。
それが、現時点で私が感じているドールの効能です。
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