多様性とカレー、そして薪をくべる
福山雅治さんがナレーションしてるNHKスペシャル
を見た。
ホットスポット最後の楽園 season3 (5)太古の命守る奇跡の森〜ブラジルマタアトランティカ〜
ブラジルにある太古から変わらなぬ森林「マタアトランティカ」の話。
そこに生きている生き物たちは例のごとく多様性が豊富だそうだ。
その多様な生き物たちを育んでいるのが多様な植物なんだと。
確認されているだけで2万種類の植物が存在し、その4割が固有種だとか。
ところで現代は「多様性」が大きなテーマになっている。
しかし人間社会の多様性を語るとき、人間そのもの、つまりソフトにフォーカスして語られることがほとんどに思える。
でも実はハードにこそ多様性を求める必要があるのでは?
例えば建築。
ぼくらが住む家。
様々宗教行事に対応できる間取りってどんなだろう?
暑い国で育った人も、寒い国で育った人も快適な部屋ってどんなだろう?
ブラジルの森林のように多様なハードが多様なソフトを育む、または支えるのかも。
番組をみながら、そんな仮説がふと頭に浮かんできた。
そしてあながち間違っていないような気がする。
これからも出会うであろう多様性の議論をそんな目線で見てみるのもおもしろそうだ。
東小金井のカレー屋「サイのツノ」
今は武蔵野市に住んでいて、お隣の小金井市まで散歩したついでに、なんとなく入ってみた。
これが何とも美味しかったのでした。
味もそうなんだけどその日のシチュエーションが良かったなぁ。
季節は夏の入り口。30℃。抜けるような晴天。
ときどき通る車の音。蝉の声は聞こえてこなかったが、ステレオタイプの夏のイメージそのものといって良い。
換気のため開け放ったドアから、風が吹き込んで、カレーを食べながらかいた汗を冷やしてくれる。
時折、そのドアの隙間から青空を眺めながら食うカレーは最高だった。
それは何故かとても詩的な雰囲気に感じられた。
さえない主人公が登場する日本の青春映画のような…
わたしが食べ始めた時、Tシャツ、短パン、ロン毛を雑に縛ったあんちゃんが入ってきて、なれた様子で注文。
「ほうれん草とスープカレーのダブル。アイスもつけて」
ふと「友達になれたら良いな」と思った。
きっとこの雰囲気を良しとして、この店に通っているのだろうと妄想したから。
だとすれば、そんな感性の持ち主とは仲良くなれそうな気がした。
人は素敵な体験をすると、それを誰かと共有したくなるものだよな。
実はそれがこのnote を書いている動機かも…。
サイのツノが入っている建物は「かすみハイツ」といって、これまた良い雰囲気の建物です。
ケーキ屋なんかもテナントで入っていたりして、チェーン店の多い商店街に彩りをそえている。
同じ小金井市に丸田ストアーという建物があって、それも好きな感じ。(駅からちょっと遠いけど)
一階が倉庫のような感じで、いくつかの個性的な小売店が入っている。
二階はイベントスペースになっていて、去年そこで「人生フルーツ」という映画をみた。
かすみハイツや丸田ストアーみたいな場所がもっと増えれば、街はもっと楽しくなるのかな?と思う。
チェーン店の安心感も好きだけど、もっと「なんとなく街を歩いて、ふいに素敵な出会い」をしたいな思うから。
「石橋、薪をくべる」がおもしろい
とんねるずのタカさんがやっている「石橋、薪をくべる」というテレビ番組がおもしろいです。
タカさんとゲストとの1対1のトーク番組。
テロップがなく、カット割りも少ない。
時折焚火の映像が話のクッション的に映し出されるだけで、ちょっと最近見ないような落ち着いた番組だ。
なんか「これって逆にテレビしか見れないのでは?」と思った。
YouTubeではバシバシ、ブツブツとカットした映像でテロップドーン!だし。(とは言え、違う意味でYouTubeでもウケそうな番組にも見えるが)
ゲストもシブい。
今週は小児外科医の吉岡秀人さんという方。
25年前たった一人ミャンマーで開業した小児外科医だそうだ。
「医療報酬を受け取らない」という話がおもしろかった。
例えば、医療行為の対価として100万円をもらったとしたら「わたしの仕事は”100万円どまり”か」と、感じてしまうからだそうだ。
本人はもっと自分の仕事に高い価値を感じているから、”逆に”報酬をもらいたくないのだという。
ちょうど今読んでいる本「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話」で似たような話があった。
その本には「献血を有償にすると、かえって血液が集まらない」という話があった。
なぜそんなことが起こるのだろう?
ここでもう一度、吉岡さんの話。
吉岡さんの仕事を仮に100万円としよう。
そこにもう一人、パチンコで100万円稼いだヤツが現れた。
両者の仕事は、同じく100万円を生み出したが、でもだからといって、吉岡さんのたくさんの子どもたちを救った「医療」と、男がたまたま当たった「パチンコ」という行為は価値は同等と言えるだろうか?
少なくとも吉岡先生自身はそうは思わないだろう。(ちなみにわたしも思わない)
対価と仕事の本質的価値はイコールではないのに、しばしばわたしたちは無意識にお金を基点にして価値を計ってしまう。
イコールであると信じてしまうと、時に報酬・収入が少ないから、自分の仕事に価値はないと思いこんで落ち込む。
しばしば起こる「価値をお金に置き換えたことで、無駄に自分の仕事の価値を棄損してしまう現象」を積極的に避けるため、吉岡さんは無報酬で働くのだと思った。
ではまた、献血の話。
例えば1回の献血で5ドルもらえるとしたら、どんなことが起こるだろう?
わざわざ痛い思いして5ドルだったら、同じ労力で6ドル稼げることで時間を使った方が良い。
そのように判断してしまう人が多く出てくるのでは?(結果、血液がたりなくなる)
お金という価値基準がもたらされたとたん、もともともっていた善意を忘れてお金で価値を計りだしてしまう。
そのように、半ば当たり前(かつ本能的な)「価値を「お金」に置き換える行為」を、あえてしないことで、うまく社会が回ることもあるのだなと思った。
と、こんな感じで、テレビを見ながら、自分の思考をゆっくり巡らせる時間が持てる、ゆったりとしたリズムの番組です。
ちなみに来週のゲストは博多華丸さんとのこと。
毎週火曜、24:50~23:10の放送です。
あ、バン活!も更新したので良かったら読んでください。
「サポートよりSNSでの拡散がうれしいです!」という人が多いですが、ぼくは普通にサポートうれしい派です。