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断片 小説を書きなさい

 断片と名づけていろいろ書いてきたが、エッセイなのかコラムなのか日記なのかわからんこれ、こうしたものを書くよりは小説に注力するべきなんではないのか。一月に最終選考の連絡があるとされる賞、そこからも音沙汰がないので落ちているのだろうし、noteの創作大賞も発表はまだ先だし。いつでも小説を書いていられたらそれは強いですよ。才能だよそれ。だものでワナビとしては常に小説を書いているような日々が望ましいのだが。とある作家の自伝的小説に出てきたワナビ、自分が落ち続けているのは「本気じゃなかったからだ」と結論づけていた。そいつは心を入れ替えて、つまり本気になって、苦節十七年のワナビ生活を終えてプロ作家になったとさ。万国のワナビども、団結せよ。勝ちに行こうぜ。

 愛用のペンがある。いっぱいある。ペンというのも沼なのであって、以前どっぷりとハマっていたのだ。最初にボールペン、パイロットのカヴァリエを買った。使いまくった。万年筆というものを見て、今度はそちらが気になってきた。そうして初めての万年筆としてラミーのサファリを買った。使いまくってやがてぶっ壊れ、次にビスコンティのゴッホを買って、ボールペンならパーカーを買って……とやっていって、いまはペリカン、サクラクラフトラボ、ショーンデザインが二本、パイロットのレグノ、などなどが主力兵器。ペンは愛おしいものです。愛して用いるのです。私はわりと手書き派なのだろう。字は汚いのだが。

 冬なので着る毛布を着ている。着るタイプの毛布というものがあるのだ。これにすっぽり包まれてみれば暖房などは最低限で済む。一枚あたり三千円とかそのくらいで、電気代を考えればコスパが最高である。あまり寒くない地域に住んでいるゆえこれで冬は越せる。楽なものだ。このモコモコした毛布が私の毛皮である。春までモコモコ。ぬくぬく。えー、暖かな、暖かな生活。お茶すらあるのだ。これ以上、何をお望みですか。

 すっかりモーツァルトづいていろいろ聴いている。交響曲全集を三つ持っていて、そのうちひとつはまだ封を切っていないフィッシャーのもの。他はアリゴーニとレヴァインとだ。アリゴーニは最初に買った全集だったのでだいぶ聴き込んだ。個人的に基準点になってるもの。ピアノソナタ全集も三種、ラローチャ、仲道郁代、封を切ってないリュビモフ、あとは来月レオンスカヤが届く。なぜか女性ピアニストが多いのだった。他に各種室内楽とかピアノ協奏曲だとかがある。オペラは『フィガロの結婚』だけ持ってる。モーツァルトの何がすごいって、私は別に気の利いたことはいえないが、世界の真ん中みたいな感じがしないか。真ん中、あるいは完全に外側。ちょっとこれ、人間の仕業じゃないんだよな。どれを聴いてもそう思える作曲家というのは他にいない。

 今月の読書は計画倒れになるかどうか、いま瀬戸際のところで、多読とはいえない冊数なのに苦労している。おもしろい本が揃っている。読めばいいだけなんだから読みなさいよって話。ところで読書する場所としていちばんいいのはどこなのだろうか。自宅かカフェか、図書館か電車か。場合によってそれぞれで読むんだけれども、長い時間がとれる新幹線、これが意外と読めないことは知っている。車窓を見るのが楽しすぎてそちらに気を取られるからだと思う。イヤホンで何か聴きながら車窓をボーッと見てるのとか、最高だからね。あれは贅沢な時間だ。コーヒーなんか飲んじゃってボーッ。行きで帰りで、ボーッ。へへっ、もう着いちまった。じゃあ降りますかね。また遠くへ来たものさ。



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