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断片 創作の秘術

 秘術なのでいえない。いってもいいけど、もし私よりうまくこれを使える人がいたら負けてしまうので、結局のところいえない。手の内は明かせないということだ。秘術を使った昨夜はすごかった。アイディアがこんなに爆発するとは思わなかった。正直次の作品がやや詰まっていたところもあり、それがあなた、とある方法によって活力を得て、アイディアの奔流を手帳にバリバリ書きつけていったらばもうあたくしってば天才、みたいにハイになった。ハイテンションメモ書き。小説の輪郭が、骨格が、肉体ができてきました。シャーレの中で細胞から培養していくかのようにしていたのが突然化けて巨大化したみたいな。秘術。いえないですね。ちなみに違法行為をしているわけではありません。念のため。

 名画座へ行かねばならんのですがなかなかタイミングがとれない。今週で公開が終わってしまう。観なきゃいけないわけでもないが、観たい映画ではある。一応これでも映画好きとして、その端くれとしてちょっとやかましいですよみたいな顔をしている私なので、これはおさえておこうよみたいなもんはきっちり観たい。古いのばっか観てるんだけど。最新のものにはあんまり食いつかなかったりする。なんでだろうね。旧作をDVDやブルーレイで鑑賞するのが私の基本スタイルだ。映画のディスクもちょっと時間が経つと安くなるから買うでしょ。最初から安いものもあるし。名作、傑作、いろいろのまだ知らぬ作品たち。わくわくすんね。

 この季節二度目の芍薬がしおれてしまった。ああ。いまはバラだけが花瓶に入っている。このバラは高かっただけあってかなり元気、一週間もバリバリ元気というのは素晴らしいですな。まだいける。ただ花瓶の空きスペースというのがあるのでまた他の花を買ってこようと。花菖蒲とかあればいいなあって思うんだが、あれきれいだよね、売ってるのかどうかはわからんけど。切り花を飾ること。いい趣味になった。花の辞典を眺めたりもしております。だんだん詳しくなれればいいね。風流にやってみたい。いまはただバラを愛でる。

 ギル・シャハムのモーツァルトを聴いている。ヴァイオリン協奏曲全集。オーケストラは颯爽、シャハムのヴァイオリンは上品。礼儀正しい紳士みたいな。何やらやけにソツのないディスクを聴いているなと、それがいま初回の鑑賞での思い。あれか、完成度が高いということか。あるいは模範的。ソロからオケから指揮からと、なんのケチもつかん。モーツァルトの作品として安心して聴いていられるこのディスク、疲れたときにはよかろう。ゆるりと、まったりとしてしまうので、ひいては眠くもなるので休憩のためのものとしよう。さてこれを聴いたら今度はシューベルトの山に挑む。何枚あるのあれ。二十枚くらいか。いってみよう。

 冒頭話したようにアイディアが大爆発していたので、もう心配はいらないかもしれない。あとはアイディアをうまく接合していくだけ。こうなるとテトリス的な、パズル的なことになるのでけっこう楽である。書く準備というのはもうできていたのだろう。私は勝ちましょう。勝ちに行こうぜっつって。とりあえず合否を抜きにしてもおもしろいもんにはなると思う。楽しく書けそうだ。職人的な作業でありながら創作でもあるこれ、どうだろう、受かったらどうしようかね。ひとまずいいスーツでも仕立てようか。もうかっこつけていくしかないじゃん by女王蜂。



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