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断片 人間に何ができるのか

 大仰なタイトルを掲げて書く。人間に何ができるのか、というときに、これは人間全体というよりも個人に何ができるかって話のほうがわかりやすい。人間全体のことなど知らぬ。それはただ個人の集合である。じゃあ個人に何ができるのか、としてみて、これはその人でなければできない何かをしてください、という話がある。他人ができることを自分がするな、といわれるものである。自分しかそれをできない、したがらない、そこに運命の活路があることでしょう。ワン&オンリーというやつで、そういう人生のほうがハリはある。だからあなたたち、ものを書いたり絵を描いたりしているんでしょう。楽しいんでしょう。ならばやり続ける限り未来は明るい。

 創作大賞、締切になりましたね。現在一万六千件以上の応募ですって。みんなこれに賭けてきたか。私も応募した。勝ちに来たぜ。さあ勝負だクリエイターども、勝ったり負けたりしようや。このお祭り騒ぎを楽しまない手はない。もう遊びでもイノチガケでもどちらでもいいわ。なるようになるってものよ。運命は絶対にある、と誰かがいった。ここでの勝ちも負けも、そりゃ運命かもしれない。でもがんばってきたんだったら勝ちたいわな。私も勝ちたい。さっさと作品でメシを食えるようになりたい。そうならないとこの先ちょっと苦しいのだ。プロの暮らしも苦しいだろうけどね。

 座り続けているせいか腰が痛い。そろそろガタがきている。横になればそりゃ楽なんだけど、そうやってばかりもいられないわけだ。これは重いものを持つとギックリくるでしょうね。体の調子の悪さはどうにかしたいもので、自分の作業に集中できるくらいの健康さは欲しい。そこでまず体力、キューピーコーワのプレミアムを買ったのだった。キューピーは効く。シリーズのうち高いものほど効く。小説を書いてる期間など毎日飲んでいたものだ。疲れるなんてもんじゃないからあれは。疲れというよりは死が近づいている感じか。生命として終わりが見えてくるくらいの努力をしておいて、腰も痛めて、そんなになってまで目指すもんがあるんですなあ。

 チェコのオムニバスものなどを聴いている。この田園っぽさ、森林っぽさ、野原っぽさ、風の穏やかな吹きっぷり、広すぎる青空、つまりは自然が豊かなことが感じられるようなのどかな音楽。チェコといったってドヴォルザークやスメタナやヤナーチェクだけじゃないね。いや、どれだって好きだけども、埋もれている音楽を掘ってみてもチェコらしさというものは端々に出てくる。なんだろう、宮沢賢治が岩手をイーハトーブとしたように、つまり異界を見出したように、チェコにも異界らしさがあってそれが音楽に現れるか。そういうのがいいねえ。穏やかで軽やか、なんだか懐かしいような感じがありつつ、ちょっと切ないチェコのクラシックです。

 もしあなたが本を好きで、その上でカネがあまりないなら、本屋に行ってはいけない。行けばカネがないのに買ってしまうことになる。ああ、本を買うのを優先してメシ代を切り詰めるんでしょう。わかってるって。はいはい。本が好きなのね。別にいいけど死ぬなよ。メシは食いましょう。カロリーをとるのだ。死んだら読めないんだから健康も大事なんだよ。不健康をやらかして病院のベッドで読むのも楽しいんだけどさ。でもあれ点滴が邪魔で集中できないときがあるからねえ。だから病院じゃなくてシャバで、健康に暮らしつつ読書するのがいちばんいいんじゃないかしら。メシを食おう、読書もしよう。ナイスな人生を。



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