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断片 脳筋映画、嫌いではないけれど

 映画熱が止まらず『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た。例によって安く買って積んであったブルーレイ。いやあ、ビックリするくらいストーリーが薄かったですね。アクション映画だからってことでそこに期待はしてなかったが、人間ドラマこれだけか、というほど。脳筋である。ただしアクションは本当にすごい。たいていのアクションシーンのアイディアはこれで出尽くしてるんじゃないのかってくらい。その点では非常に楽しめた。観終えて気づいたけど『300』に通じるあれだ、系統だ。考える前に戦えみたいな。いいから戦えみたいな。そういう映画なんじゃないか。といろいろ、褒めてるのか貶してるのかわからなくなってきたが、その両方であろう。

 承前。映画を観て学べる何かがあるなら学ぼうと思う。何が学べるか。映画は総合芸術であるといわれる。文学、音楽、演劇、映像、それらのごった煮が映画であると。文学、ストーリーからはいちばんダイレクトに何かをいただけそうだ。演劇、演技、ここからも。何しろストーリーを展開しているのが演劇なのだ。そうしてそれらをカメラワークで収めていくんだから、もちろん映像全体からももらえる。音楽は「そのシーンの雰囲気」みたいなものを演出していて、補助的なものとして印象づけられる。なんだ、結局全部学びではないか。全世界のワナビ諸君、映画を観よう。観てるって? だったらもっと観るのだ。私ももっと観ます。

 どっか行きたいんだけど、どこへ行けばいいんだろうかね。そんなもん自分で考えればいいことだが決め手がない。本屋。いいねえ。ただし近所の本屋はさほど大きくなくていまいちである。遠出して大型書店へ行くか。それもいいだろうけど、しかし予算というものがない。この世で何が悲しいって、買いたい本を買えないことだからね。惨劇ですよ。それに積読が山のようであってみたらば、新しく買う前にそれらを読めという話だ。ディスクも同様。CD、DVD、ブルーレイとごっそりある。買う前に消化しよう。つまるところおうち時間(ひきこもり時間)を過ごせというタイミングなのだろうか。それなら仕方ないな。

 アバドのベートーヴェン全集を聴いている。ポリーニのソロによるピアノ協奏曲が目当てで買ったこのボックス、あんまりちゃんと聴いてない。いまもBGM落ちのものとして気楽に流しているが、時おり耳に入ってくるフレーズが何やらけっこういい。力強い。艶やかに歌うというよりは押し通る、押し切るような。なんなら無骨。こういう演奏だったっけか、と不思議なものだ。単純にベートーヴェンだからってわけでもなさそう。ちゃんとスピーカーを睨んで聴くよりもBGMで何気なく聴くほうがわかるということがある。アバド、悪くないんじゃないでしょうか。あんまり話題には上らない人だけどね。

 次回作の準備として、シューベルトのことを調べなければならない。文献を集めよう。そのように思ったが、文献を集めて調べて、その受け売りを書いてもあんまりありがたいもんでもないのかなと思う。パクリになっちゃったらいかんわけだし。ともあれ次、シューベルトは重要な要素だ。音源は一通りある。その曲たちを聴いて個人の感想として書けばパクリとはなるまい。本で調べるのは必要な程度でよかろう。音楽になぞらえる小説だ。目下熟成中。私は必ずや次のステージへ行くことでしょう。人間卒業。変身物語。突然変異。希少生物。ウィザードクラス。言葉による永遠の命。終わる太陽。闇と共に私。



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