マスク

2/5 モラルハザード

需給バランスに歪みが生じると、それに乗じて小金を稼ごうとする輩が必ず出てくるので何かしらの規制を設けない限り価格は安定しないし、本当に必要な人のところへ届かないだろう。

メルカリではこれまで、高額転売とみられるマスクの出品が相次ぎ、通常価格を大きく上回る数千~数万円程度での出品や、価格の100倍以上の値段が付けられた商品もあった。

結局、そんな高額でマスクを購入しようとする消費者はいないだろうから(中にはいるかも)、出品された商品は売れ残り、必要な人の手元に届かない。そのため、本来マスクがあれば防げたはずの人たちがウイルス感染し、日本国内での感染者が増加、要らぬ混乱が生まれる。

各個人が本当に経済合理的に動くのであれば、売れ残りを発生させないために適性価格で流通させる必要があるが、それは本来であればスーパーやドラッグストアのような流通小売業が担う役割を、個人がしゃしゃり出て稼ごうとするからこうなってしまう。

経済学のゲーム理論でいえば、自分の利益だけを最大化しようとしても(メルカリで儲けたる!!)、本来得られたはずの利得すら失ってしまう(日本での感染者拡大)のだから、どうせ販売するなら適性価格に抑えて出品する必要がある。しかし、それだと儲からないから、本来なら個人でそのようなマスクを転売するような行為は行わず、流通小売業に任せておくことが合理的なはずだ。個人で参入することは決して合理的ではない。

個人の裁量に任せてしまっては全体最適の達成は難しい、そういうことなんだろうか。それを達成するための要素が「モラル」だろうが、どうしたってモラルハザードが生じるだろうから、だから社会は難しい。。




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