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ファンと作り上げる価値

ちょうど1年前の2019年のはじめ。

タイガーサポーターのサンボさんから連絡があり、タイガーのコアサポーター組織を立ち上げる、と。

これまではカンボジアでは静かに試合を見守ったり、場面場面によって、場当たり的なタイガーコールが起こる状態だった。

そんな中で、アンコールワットで日本人ガイドをしている、サンボさんが日本人がカンボジアやシェムリアップのためにこんなにお金と時間を使ってるのに、俺たちが立ち上がらない訳にはいかない。
そういって、
タイガーを守るという意味でTiger Army というサポーター組織名をつけて立ち上がってくれた。

これはタイガーアーミーの1番初めの練習の写真。

太鼓は地元の高校に通う高校生を集めてきて、練習もタイミングが合わず、バラバラだ。

しかし、サンボさんは言った。
「アキさん、タイガーアーミーは何人の組織にしたらいい?」

なかなかこの状態から組織を作るのは難しいだろう、と思っていたので、

「いや、頑張ってくれるだけで嬉しいから何人でも大丈夫ですよ」

と答えたら、
「いや、アキさんが決めてください。私は必ずやります」

というので、
「何年後かに300人位になったらいいなぁ」

と言ったら、
「分かりました。但し、アーミーなのでただの300人じゃなくて、ずっと立って応援し続けられる300人にします」と。

嬉しいけど、なかなか難しいかな、と思ってました。
2018シーズンの平均観客数は1900人で、小学生や中学生も多くいる。そこから300人て。

そして、2019年シーズンを通して、サンボさんとその副リーダー達はタイガーアーミーを多く、そして、強くしていった。

サンボさんに至っては、日本人ガイドの仕事で来日した際、数少ない休みを観光ではなく、全部Jリーグの試合観戦に当てて、ゴール裏でコアサポのチャントやコールを研究してた。

そして、タイガーの日はガイドの仕事を休んだ。その分収入もきっと減っているだろう。

それでもASEAN No.1を実現して夢と希望と勇気をカンボジアのみんなに感じてもらうという使命とビジョンに共感して活動を続けてくれていた。

そして、1年後の2020年には、、、

在籍300人程度でホームゲームでは常時150〜200人位が熱烈な応援に来てくれている。

選手達も口々にタイガーの大観衆とタイガーアーミーに力をもらってると語る。

この応援が後押しして、2019年はホーム13試合中敗れたのは1試合だけ。

応援って本当に力を与えてパフォーマンスも変わるんだ、と実感する。

それと同時にこういった雰囲気がまた新しいお客さんを呼び、定着させていっている。

しかし、彼らは決して排他的にはならない。
自分たちは立ったまま熱く応援する。
でも、ファンが増えれば増えるほどタイガーは強くなる。

そう考えてくれている。
よくコアファンが新規ファンを除外していき、ダメになるコミュニティはあるがタイガーは幸いそうはなっていない。

狙ってそうしてはいないけれど、これは運営側にとっては凄く幸せなこと。
もし何かしているとしたら、タイガーはもちろんだけど、それは共にシェムリアップ州とカンボジアをみんなで良い国にして行こう、と発信していること。

競技レベルで言えば、今はスマホで欧州の試合も簡単に観れる。

当初から勝ち負けによらずに愛されるクラブにする、そう掲げて活動してきたことがアンコールタイガーは少しずつだけどできてきたんだと思う。

クラブを買った時は観客200人(ほとんど選手の家族友人)。

そこからするとこのカンボジアで大観衆でタイガーアーミーのチャントが聴けるなんて、
ほんとに感慨深い。

2020年の開幕戦の光景を観て、熱くこみ上げるものがあった。

常にアップデートしていく。

本当にタイガーのファン、
そして、タイガーアーミーとサンボさん、ありがとう。



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