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寿司日乗385〜391

2023年3月4日(土)
定期的にやってくる「その日起きたら好きな詩集を適当に開いて最初に飛び込んできた言葉が今日の“何か”」を、やる。荒井由実もうたっている「目に映るすべてのことはメッセージ」と。そういう“遊び”を定期的にやっている。谷川俊太郎『わたしとあなた』(ナナロク社)を開く。
「いま 眼で 見ているものは同じ 
だとしても 心で 聞いているものが 違う。」
今日の、今の、この瞬間に私が目にした言葉。「うむ、そうだな」独り言。
詩の為に書かれた言葉に煩悩の洗濯を託すような時がある。今がそう。そして気付いたのは歌詞を書かなければいけない時に私はよくこの“遊び”をしている。歌詞を書くということが年々苦行の様になっている。
夕方まで作業。20時半過ぎ阿佐ヶ谷。友人達がDJをやっているので行く。
とてもよかった。心地がよかった。でっかいミラーボールが未知の果物に見える。2時過ぎ帰宅。

3月5日(日)
終日作業と確定申告。深夜、急に空咳が出始める。体調を崩している場合ではないので薬を飲んで就寝。

3月6日(月)
起きると喉が痛い。憂鬱。朝、確定申告を済まし、体力を付けなければと思い「おい、見汐よ。今お前は何を欲しているか?」「肉、肉です」身体とコミュニケーションして焼肉屋に入る。ご飯も大盛りにする。
帰宅後、終日作業。いよいよ喉の痛みが本格的になってきた。

3月7日(火)
風邪をひく。熱はないが喉が痛い。コロナ禍以降初めての風邪。
漢方を飲んで終日作業。鼻水が垂れてくる都度に鼻をかんでいるともう面倒臭くなり鼻水が垂れたままにしていたら鼻水もこれ以上は可哀想と思ったのかピタリと止む。からだ、ふしぎ。

3月8日(水)
朝イチでかかりつけの内科へ。「あぁ、少し喉が赤いけど大丈夫ですよ。花粉もあるかもねぇ」と言われいつもの薬を処方してもらう。とうとう花粉症を発症した模様。鼻が詰まると頭が働かなくなる。昼、薬が効いてくる。
夕方までメンバーの坂口君とリハスタにて作業。帰宅後、雑務。18時半に四谷三丁目。SさんMちゃんとご飯。少しの飲酒で酔う。

3月9日(木)
昼、なぎ食堂。忙殺。しかし、人様がご飯を食べている姿を見ると口角が上がる。外国人のお客さんもまた増えてきた。4人家族の外国人客。食事の前に皆んなで祈っていた。クリスチャンなのだろうか。テーブルを囲む家族の祈る姿がなんとも、神聖なものに思えた。窓から差す光がそれを助長して見せる。「祈る」という行為が私の普段の暮らしの中でないものだからか。幼少の頃は毎日あったが(祖父が真言宗の修行僧だった)あのひとときの時間を思い出すと胸のつかえが軽減する感覚はある。朝食の前はつも般若心経を唱えなければいけなかった。ふと思い出す。疲れているからか。
夕方、歯医者に行く。帰りにしゃけ小島で早めの夕飯。帰宅後作業。

3月10日(金)
薬が効いているのかいないのか、よくわからない。先月から終日ひたすらに眠いのも謎。20時過ぎまで作業。21時前、新宿Tで晩酌。馴染みのお客さんと話して少し元気がでる。Sさん達と話しているうち、気付くと明け方。
タクシーで帰宅。帰宅後、寝る前に谷川俊太郎『わたしとあなた』(ナナロク社)を開く。
「置いてけぼりに して下さいと 歴史に向かって あたしは言う」
心の隙間にカチッとはまる言葉だった。言葉の意味にではない。あなたもそうなのねと、言葉そのもがこぼすため息みたいだなと思った。






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