予定外、だけど想定内

松江会場の強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の2日間の日程が今日終了した。

行動障害の状態になりやすい自閉症(ADS)の方は予定外のことが起こるとパニックになりやすいといわれる。

でも、研修で受講生の人に

「今から講師になって、行動障害の支援について話をしてください」

と言ってマイクを渡すと、ほぼ全員パニックになる。

浜田会場で同研修を行った時に、当事者の家族の人の発表で

「自閉症である前に1人の人間でもあることを忘れずに支援者に関わって欲しい」

と言う言葉が印象に残った。

「自閉症だから〇〇(してしまう)」と言われることが多かったのかもしれない。

基本的には想定外のことが起これば、自閉症であろうとなかろうと、同じ人間として誰でもパニックになる。

前の例で言えば、受講生として参加しているのに、講師役になるなんて予定外・想定外のことだ。

それは、みんな同じ。「同じ人としてどうか(どう感じるか)」が先にあり、その後に本人の特性上どうか(どう感じるのか)」が正しい順番。

「特性上」というのは、想定外の基準や物事が「自閉症の人たち」と「そうでない人たち」との間で「違い」があるから。

その「違い」は特性の理解をすることである程度まで知ることができ、自閉症の人(個人によって差はある)にとっての「予定外で想定外」のことを「予定外だけど、『想定内』」にすることはできるかもしれない。

それが、歩み寄りとか、協力とか、合理的配慮とかって呼ばれたりするものなんだろうと思う。

予定外でも、想定内のことであれば人は何とか対応できてしまう(ことが多い)。

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