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UPDRS Part Ⅲ 3-10〜3-11

前回の立ち上がりに続いて、今回は歩行です。
だいぶ、運動症状の色が強くなってきています。
それでは、見ていきましょう!

UPDRS Part Ⅲ 3-10 歩行

【引用開始】
3.10 歩行
評価者への指示:患者が、評価者から遠ざかり、また評価者に向かって歩いてくる歩行が試験のために最適です。その理由は、身体の左右が容易に観察できるからです。患者が少なくとも10m(30フィート)歩き、方向転換して評価者のところに戻るようにします。ここでは複数の行動を評価します。歩幅、歩行の速度、足の上がりの高さ、歩行中の踵の当たり方、方向
転換、腕の振り、などです。すくみ足の評価は除きます。患者の歩行中、歩行のすくみ(次の項目 3,.11)を評価します。項目 3.13 の姿勢も観察してください。

0: 正常: 問題なし。
1: ごく軽度: 軽度の歩行障害はあるが、一人で歩ける。
2: 軽度: 一人で歩けるが、かなりの歩行障害がある。
3: 中等度: 安全な歩行のためには補助具(杖、歩行器)が必要であるが、人の介助
はいらない。
4: 重度: 全く歩けない。あるいは人の介助があれば歩ける。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

さらっと、評価者への指示が書かれています。
が、臨床上で、いきなり評価者が、パーキンソン病の患者さんが10mも離れたところへ歩いてみてくださいとは、いいがたい!です。
そして、向きを変えて戻ってこいって。

さらに、歩幅・歩行の速度・足の上がりの高さ・歩行中の踵の当たり方・方向転換・腕の振りなどの複数に渡る項目を評価するとしています。

が、4段階の評価項目には、それを、考えるものになっていない。

UPDRS。すっごい良いなって思ってみてきましたが、ここはイマイチ。

なので、実際に行う時は、安全面の配慮が必要です。

そして、評価者への指示にある通りに複数の項目(歩幅・歩行の速度・足の上がりの高さ・歩行中の踵の当たり方・方向転換・腕の振り)についてしっかりと評価したい。

歩幅は、10mで何歩で歩いているかを数える。

歩行速度は、10mは何秒で歩いているか時間を測定する。

足の上がりの高さ、歩行中の踵の当たり方、腕の振り、は、なかなかいい指標がないですが、歩容という括りでかんがえると、動画撮影が良いです。
評価者への指示には3-13で行う姿勢も網羅できると思います。

方向転換については、Time up go test(TUG)を併用する。

などを行うと良いと思います。

また、パーキンソン病患者さんによくみられる、すくみ足については次の3-11で評価できます。さらに、加速歩行についても見られますので転倒予防は必須です!!


UPDRS Part Ⅲ 3-11 歩行のすくみ


【引用開始】
3.11 歩行のすくみ
評価者への指示:歩行の評価中に、歩行のすくみのエピソードがあるかを評価します。歩行開始時のすくみ、つっかかる様な動きを観察して下さい。とくに方向転換時や歩行のおわりに注意して下さい。安全性が許すかぎり、患者の外的キューを利用した歩行誘発法 (sensorytrick) は評価するとき使わないようにします。
0:正常: すくみ足なし。
1:ごく軽度: 歩行開始、方向転換、戸口を通る、のいずれかの時に歩行の中断が1回あるが、まっすぐ歩く時には、すくむことなく滑らかに歩ける。
2:軽度: 歩行開始、方向転換、戸口を通る、のいずれかの時に、歩行の中断が2回以上あるが、まっすぐ歩くときには、すくむことなく滑らかに歩ける。
3:中等度: まっすぐ歩いているあいだに1回すくむ。
4:重度: まっすぐ歩いているあいだに何回もすくむ。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

歩行時のすくみです。

ここの項目は、とっても優しい!しっかりと転びそうになるので注意してくださいとしている。

ただ、戸口を通る、方向転換をするなどの項目があります。

なので、いったいどの程度歩くべきなのかが不明。

戸口を通るというところは、狭い場所を通るときにはすくみ足が出現しやすいことを評価することをさしていると思います。

なので、臨床上では、病室にて、ベッド端から出発して病室入口から病棟廊下へでるなどをします。そして、向きを変えてくるなどのコースを想定して行うと良いと思います。

それでは、実践してみてください~


次は、UPDRS Part Ⅲ 3-13です〜




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