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ワークライフマージのすすめ

仕事時間とプライベートは分けた方が良い。そういう記事が非常に多いですが、今回はそんな考え方に逆行する「ワークライフマージ」のお話です。

「ワーク」と「ライフ」は完全に切り離せるのか?

仕事をしている皆様はそれぞれに内容が異なります。今回のお話の対象者は主にオフィスワーカーでクリエイティブな仕事をされている方向けです。
ただ、オフィスワーカーでクリエイティブ仕事をしていない人以外は少ないでしょうから、オフィスワーカー全般と言っても良いかもしれません。

そんなオフィスワーカーですが、昭和時代は9時〜5時で週休2日(昭和でも後期以外は週休1日)ということが言われていました。

仕事を行うための時間枠があり、その時間中は仕事のみを遂行、以外がプライベートです。今でもオフィスワーカーの方々の大半がこうした働き方をしていることが「普通」だと思います。

しかしながら時代の変化に合わせ働き方も変わってきました。

育児・介護問題がクローズアップされ2016年頃にはテレワーク制度を導入される企業が増えました。また、近年では「ジョブ型」の人事制度など、働く環境も常に変わってきています。
2016年からスタートした「働き方改革」においては労働力人口が減少することに伴って「働き方の制限をなくす」方向性も示されました。

今やオフィスの中にいる時は仕事のみ、以外はプライベート。という働き方は「古い」働き方と言えるかもしれません。

このような状況の中、今でも「ワークライフバランス」という言葉がメディアでも度々取り上げられます。仕事とプライベートのバランスを取る。という考え方です。

「ライフ」と「ワーク」はバランスを取るものなのか?

私の場合、よく周囲から「いつも仕事しているように見える」「連絡すればすぐに返事が来る」なんてことを言われます。
常に、オンであり、オフな感じで過ごしてます。まさに「ワークライフマージ」の実践です。

なぜマージをしているか。というと

「プライベート時間は仕事を完全に忘れることは無理」

「仕事時間にプライベートの事を完全に忘れることは無理」

だと思っているからです。

プライベートで調べ物をしていても「あ、この話題仕事で使えるな」とメモをして、場合によってはそのまま資料化をする、仕事時間中でも関連のあるプライベートのことをちょっと思い出しメモをする・・・人はそこまできっちりと切り替えることはできないと思っています。(少なくとも私はそのような感覚です。)

休暇中の旅行先でも、夜寝ている時にも仕事(に関連するネタなど)のことを考えています。「いや、そういうことを忘れて休暇を満喫するんだよ」と言われることもありますがその方がストレスになります。

また無理に分けようとすると、無駄な時間が増えると考えています。

プライベートの機会にいいアイデアを思いついても仕事時間外なので「改めてワークの中で作業する。」と考えてその場では忘れる。ワークの時間になった時点でどんなアイデアだったのかすっかり忘れている。なんてことがよくあるのではないでしょうか?

仕事中にプライベートでするべきことを思いついた。でも、仕事中なので忘れ仕事に集中、結果プライベートの際にもすべきことを忘れている。

この無駄を無くすためには「どちらもスポットで対応する。対応が終わったらそれぞれに集中する。」という行動が取れるようになると解決します。

つまり、「ワーク」と「ライフ」はバランスを取るものではなく、細かく切り替える物だと考えています。

「ワーク」も「ライフ」も「自分ごと」

ただ、「常に仕事のことを考えているのは辛い」という意見もよく頂きます。リフレッシュした方が仕事に集中できるのではないか。というお話も頂きます。

近年ではジョブ型や人生100年時代など「仕事」という単体で考えるのではなく、“自分の人生として自分ごとで仕事もプライベートも考える“時代に変わってきました。
ワーカーとしての自分ではなく、「自分の能力を持ちワークする」という時代です。

自分の能力は「ワーク」のためでも「ライフ」のためでもあります。

仕事か否か。では語れない時代なのではないでしょうか?

一つの組織で働くから自分の能力を活かして複数のステージで働く時代に変わって来ています。そのような時代になると益々「ワーク」と「ライフ」を切り離すことは難しくなります。自分の人生において「ワーク」も重要な要素になります。

「ジョブ型」「スーパーフレックス」「テレワーク」などの新しい制度は単に働き方の制限をなくすだけではなく、本来の「生き方」を追求するための制度とも言えます。

また、企業や国からも各自の能力を向上する「リカレント」が求められています背景も踏まえるとますます仕事とプライベートを切り離すことは難しくなります。

組織人から組織個人へ

以前にも書きましたが、これからは組織人、いわば「XXにお勤めの人」から、どのような仕事をしている組織個人、「個人の能力を活かし仕事する人」への転身が求められています。


とはいえ、制度上、時間で働く人がプライベートと混同することで仕事時間の増減し、残業が増えた、給料が出ない。などは問題です。

当然、法制度を無視することはできませんが、管理職などの「時間管理されていない方」やテレワークやスーパーフレックスが使える方など、こまめに「仕事」と「プライベート」を切り替えることで擬似的ですが「ライフワークマージ」を実行できます。

無理、ルールに従わないのは問題ですが、ルールをうまく使うことで実現できる新しい働き方が存在します。

また「休まる間がない。」と仰る方も多いですが、仕事を楽しんでいる場合、オンがオフと同等に感じます。精力的に活動されている人も同じ認識のようですし、以前対談をさせて頂いた池上彰さんも同じことを仰っていました。


皆様も「組織個人」として「自分の能力を活かした働き方」に転身してみてはいかがでしょうか?

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