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夫婦の危機(愛の残り火)

もう悩ましくて気が気ではなかった

昨日は妻の公演でした。
子供たちと義母を連れて区民ホールに行き全席自由だったので 全体を見渡せる後ろの方に席を取ると…   

あ、あれは?      あのひとだ…    

間違いない C子。  むかし交際していた女性
    まだ若くて些細な事で行き違いがあり互いに引く事が出来ずに別れてしまい お互い別の人と結婚。     もう何十年ぶりだろう?

もう一生会うことは無いだろうと諦めていたがまさかこんな所で⁉︎   

お子さんだろうか?  大学生ぐらいのお嬢さんと来ている、母親に似てかわいらしい娘さん。

何と声をかけようか?   久しぶり … いやそれでは芸が無いだろう。  元気? ずっと会いたかったよ
イヤイヤ それでは娘さんが変な気を回すだろう

そもそも声をかけるべきなのか? 
彼女は幸せそうなのだから5番街のマリー(ペドロ&カプリシャス)のように黙って去るのが男前なんだろうがw

もう楽団の演奏どころではないww

一部の演奏が終わり途中休憩が入る
やった チャンス。
かなり離れた席からC子はエントランスの方へ
  私も家族に焦りを悟られないよう席を立ちトイレへと。   すみません 前通ります。
「え? そうでっか ちょと待っておくれやっしゃ片付けますわ」と隣の年配の女性がパンフレット アンケート お茶 酢昆布を広げていた(じゃまだBB A!)  とココロの中でしたうちw
とモタモタしているうちに彼女を見失ってしまった。  
咄嗟に思い付いた作戦は私が先にトイレに行き彼女に見つけて貰う戦法(←やっぱ声かけるんかいw)   まさかトイレで待ち伏せするのはストーカーじみてて良くない  て もう半分ストーカーなんですがねwww  
という事で1回目のチャンスを失った。
いや、まだ最後のチャンスは残されている 公演が終了後に。

二部が始まりメイン曲は伊福部昭のゴジラ。 

まさに自分の中でゴジラが南方の海から上陸して来る。

声をかけてそれから?  また会ったりするの? 
交際が始まるの?    いやいや  それはいかん。
  今家族を失う訳にはいかんのだ。
彼女はもうお嬢さんの子育ては終わりに近いが自分はまだまだこれからなのだ。

と  気付けば アンコール曲も終わりに近い   前方の 彼女たちが席を立ったのを確認すると
   「あ  お義母さん車回して来ますので子供たちお願いします 正面ゲートでお待ちください」

しかしここで予想外の事が起きた。
  何と周りの老人客たちは曲が終わらないうちからゾロゾロと席を立ち出口へと(失礼じゃないかw

またもや彼女を背後から追うはめになった
先回りして彼女に見つけて貰うのが前提だったのに⁉︎

追い付いてどうするの?  肩を叩く?ノンノン。

と その刹那 奇跡が起きた。


やっぱ日頃の行いでしょうかね カミさまw
彼女の脇からアンケート用紙だろうか カミがヒラリと舞い落ちた。  

私は 満面の笑みで

あの すみません落ちましたよ♪    


…     振り向いた女性の顔は過ぎて来た月日がよく表れてお互い時は流れているのを悟った…が

とても似ているが  全然C子では無かった。
(何をヘラヘラ笑って急に真顔になった気持ち悪いオッサン?》と怪訝な顔をしたおばはんは会釈をしカミを奪って去った。

何だったの?  この2時間あまりは?…なにが間違いないだ馬鹿野郎!www

何か安心したやらムカついたやら複雑な心境の公演でした。

《了》






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