巴里日記 クリスティーヌ #2
いまでこそ、フランス人マダムの生き方、みたいな書物がいろいろあって、香水と赤いルージュと節約生活でもこんなに素敵!みたいな感じ、日本にいても受け取れるのですけれど。
「オスカル様が好きで、泳いででも渡りたいフランス」(当時、本当に水泳に明け暮れていたのだ)を目指して巴里生活をした自分には、衝撃のファッション原点、の数々。それは、7歳の女の子クリスティーヌとの時間。
出かける前のママから「決して、どんなにせがまれてもお菓子は与えないで」
午前中のクリスティーヌは、お菓子など興味もない様子で、懸命にノートに文字を書いている。
宿題でもしているのかと思って、きいてみたら「自分らしい筆記体を練習している!」とのこと。日本なら、丸文字とか絵文字とか、か?女子らしいことしたことない自分には経験のないことなのだが、そのときの彼女の真剣な姿のかわいらしいことといったら!
Ikukoも練習したらいい、と一緒になって、書いてみた。どんなカーブの終わり方、とめ、が自分らしいか、何回も書いてみて、abc.
綴りにしてみると、こっちがいいとか。モード学園の「創作」の授業さながら。追求真も大人並。
ただの7歳の女の子、って思ってはいけないのだと感じた瞬間。
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