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何をするにしても、自分のすることを愛せ

1990年の年明けにシネスイッチ銀座で観た映画

映画が好きである。学生時代は年間100本以上観ていた(二本立て、三本立てがたくさんあったからね)。お勧めはどれかと聞かれると、迷うことなく『ニューシネマパラダイス』を挙げる(以前にも書いたような気がする)。

いまでもよく覚えているが、初めて観たのは「シネスイッチ銀座」だった。日本での公開は1989年の年末だから、おそらく年明けに観たのだと思う。映画館を出て、銀座で興奮しながらお酒を飲んだ覚えがある。

やはり『ニューシネマパラダイス』は最高傑作だ

監督は「ジュゼッペ・トルナトーレ」だ。他にも『海の上のピアニスト』『マレーナ』『鑑定士と顔のない依頼人』などのヒット作がある。どれも魅力的な作品だが、やはり『ニューシネマパラダイス』が最高傑作だと思う。

ネタバレになるので詳しくは書かないが、舞台はシチリアの新パラダイス座という映画館、主人公は映画に魅せられたトト少年だ。登場人物の誰もが実に個性的。エンリオ・モリコーネの音楽は何とも切ないメロディだ。

フィルムの発火事故で新パラダイス座は全焼

トトが入り浸る新パラダイス座にはアルフレードという映画技師がいる。ある晩、映写中にフィルムの発火事故が発生し、映画館は全焼。トトの必死の救助でアルフレードは一命を取り留めるが、視力を失ってしまう。

やがて青年に成長したトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮るようになる。才能に気づいたアルフレードは、映画の道に進ませるために、トトに向かって「この村を出ろ」と語る(ネタバレ気味だなあ)。

旅立つ駅でアルフレードがトトに語った言葉

「帰ってくるな!私たちを忘れろ!手紙も書くな!ノスタルジーに惑わされるな。全てを忘れろ!我慢出来ずに帰ってきても、私の家には迎えてやらない。分かったか!」・・このシーンは泣けるなあ。

アルフレードの後押しにより、トトは村を出ることを決める。駅で列車を待っているトトにアルフレードは顔を寄せてこう語る。「何をするにしても自分のすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように」・・もう号泣だ。

やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きい

僕らは忙しい日々のなかで、自分が本当に好きだったこと、愛していたことをいつの間にか忘れてしまう。年齢や家族や仕事などを口実に仕方ないと諦めてしまう。でも、やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が大きい。

経営も同じだ。目の前の利益も大事だが、自分の好きなこと、愛していたことの結果でなければ続かない。年齢を重ねれば、アルフレードのようにいってくれる人は少ない。だから、自分で自分に向かっていうしかないのだ。

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