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緊急事態時には、「トップダウン」と「情報開示」で会社を動かしていく
僕が代表を務める株式会社クエストリーは、2013年から「ブランディングクラブ」を主催しています。ブランディングクラブの趣旨と活動については下記の投稿をご覧ください。新規会員も募集中です。
本記事はクラブ会員向けに毎週発行している「ブランディングレポート」のバックナンバーから一つを選び、加筆したものです。ブランディングレポートは今週で1036号、ねちっこく継続しています。
生産性の向上と人材不足のジレンマに陥っている社長
コロナの感染者数が再拡大しています。人々の移動が活発化しているのが要因でしょうが、動き出した経済に水を差すようなことにならなければいいのですが・・・。念入りな感染対策でこの状況の乗り切りましょう。
過去の成功の方程式が通用しない変化のなかで、多くの中小企業の経営者が経営の舵取りに苦慮しています。そのなかで経営者の頭を悩ます大きな課題があります。それは「人材が不足している」ことです。
社員にいつも以上の協力を求めても、働き改革による原則1ヶ月45時間の時間外労働の上限、年次有給休暇の取得の義務化などの法的な壁があります。生産性の向上と人材不足のジレンマに陥っている社長も少なくありません。
緊急事態時にはトップダウンで進めることを選択する
もちろん、限られた人材であっても、仕事を社員に任せ、強いチーム力で進めたほうがいいに決まっています。しかし「それができたら世話はない」、「任せる人材がいない」といった社長の嘆きが聞こえてきます。
状況が日々変化するいまは緊急事態が常態化しています。社員の成長を待っている時間はありません。ならば、社長が状況を俯瞰し、計画を組み立て、トップダウンで仕事を進めるのも大きな選択肢です。
「千万人と雖も吾往かん(せんまんにんといえどもわれゆかん)」、これは孟子の言葉。「良心に恥じるところがなければ、千万人の敵に対しても恐れることなく向かっていこう」・・・まさにトップダウンの社長の思いです。
トップダウンでうまくいっている会社は情報を開示している
しかし、トップダウンがすべてうまくいくわけではありません。一人の力は知れたもの、仲間の協力が必要です。ここで大事になるのは「情報開示」です。プライベートは別として、業務に関わる情報はすべて開示すべきです。
なぜならば、トップダウンで進めることの目的や成果が具体的に伝わるからです。さらに情報開示によって、社長に判断を仰がなくても、社員自らが状況を俯瞰し、意思決定し、行動できる環境が生まれてきます。
まずは社長の仕事上の行動をすべて開示しましょう。そうでないと「好き勝手にやっている」と思われても仕方ありません。僕のGoogleカレンダーはすべてオープン、社員ならば誰でも見て、書き込むことができます。
求められるのは、ネガティブな情報でも開示する勇気
しかし、業績の開示には躊躇する社長が少なくありません。その理由は「業績が落ちていることで社員が不安にならないか?」、反対に「利益が出ていると社員が還元してほしいというのでは?」、そんな心配があるからです。
なかには「社員は数字に関心を示さない」と語る方もいます。しかし、自分の処遇にもつながる業績に無関心なわけはありません。社長に受け止めてほしいのは「社員が見ているのは業績だけではない」ということです。
「あらゆる手を尽くしている」それとも「何も対策を施していない」・・・社員が見ているのは社長の行動です。ネガティブな情報であっても共有することで、一体感が生まれ、苦境を乗り切る小さな行動が生まれてきます。
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