見出し画像

ミッションは細心に、ファンづくりは大胆に

「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」・・・これは映画監督、黒澤明氏の映画づくりのモットーだったらしい。『羅生門』『用心棒』『生きる』『七人の侍』『影武者』、どの作品もこのモットーから生まれている。

本当にそうだと思わせる能力

「悪魔のように細心に」とは文字通り、細かいところまで気を配ることだ。悪魔は誰かをだまそうとする存在だ。だから常に人の目に晒されている。それを出し抜いて「本当にそうだ」と思わせるのが悪魔の能力なんだと思う。

黒澤監督は、撮影で映るはずがない封筒のなかの手紙までスタッフにつくらせたという。普通の人は開けて見ないMacの基盤のデザインにこだわったスティーブ・ジョブズも黒澤と同質の人間だ。

「悪魔のように細心に」をブランディングに置き換えると「ミッションの実行は細心に」。関わる人を巻き込んでいくのが経営者の仕事であり、これくらいはいいのではと思うことに異常に神経質になるのが経営者の精神だ。

既成概念を外して考える能力

もう一つの「天使のように大胆に」はどう理解したらいいのか。天使は神の使いで人間の守護にあたる存在だ。人はさまざまだ。それを守るにはいつも同じやり方では通用しない。大胆とは「既成概念を外して考える」ことだ。

もっというと「手段フリー」だ。手垢のついたやり方は捨てて、誰もやったことがないことを楽しんでやろう。驚くような大胆な取り組みに、人は惹きつけられ、やがてファンになっていく。

「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」を「ミッションは細心に、ファンづくりは大胆に」と意訳するのは無理があるのかもしれない・・・いやいや、違うなあ。それくらいでなければ「ブランドにはなれない」。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?