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感謝を忘れなければ、誰かが動き出す

僕が代表のクエストリーでは「ミッションを掲げ、その実現を目指す」中小企業の経営者のネットワーク「ブランディングクラブ」を主催しています。

本稿はクラブ会員向けに毎週配信している「ブランディングレポート」の1007号(2021年12月26日配信)に加筆修正したものです。

不確実性の時代とは「未来がわからない状態」のこと

予想もしない出来事による混乱、人々の価値観の多様化と複雑化、急速なデジタル技術の進化などを背景として、社会全体の「不確実性」が増大しています。この状況は経営の意思決定においてたびたび迷いを生じさせます。

いま多くの経営者が社業の舵取りに頭を悩ませてます。度合いは別として、「これまでの事業モデルが通用しない」という不安に駆られているのではないでしょうか。しかし、事業モデルを修正するのは簡単ではありません。

いつの時代においても「顧客の支持を得る」ことが経営を安定させる道であることはいうまでもありません。しかし、不確実性の時代においては、小手先の差別化やこれまでの成功体験は通用しません。

「森のイスキア」を主宰していた佐藤初女(はつめ)さん

青森県の岩木山麓に悩みや問題を抱え込んだ人たちを受け入れ、痛みを分かち合う「森のイスキア」という場がありました。主宰していたのは佐藤初女さん。残念ながら2016年に94歳で亡くなられ、場も閉じたままです。

随分前にその存在を知りましたが、森のイスキアを訪れる機会はありませんでした。佐藤さんは、2015年に『限りなく透明に凛として生きる』を上梓され、同年4月の出版記念講演会でお声を聞くことができました。

佐藤さんは一番好きな言葉に「感謝」を挙げています。著書の一文は「いまを感謝で生きていけば、必ず道は示され、夢や希望につながっていく」。経営も同様です。自戒を込めて、感謝の大事さを強く感じる日々です。

「ありがとう」が飛び交う企業文化をつくろう

「ありがとう?そんなきれいごとで乗り越えられるのか」「それよりも新しいアイディアや行動が求められている」と声を上げる人がいるのは重々承知しています。その意見に反論はありませんし、基本的には同感です。

しかし、新しい事業モデルや対策を軌道に乗せるのは簡単ではありません。経営者がしゃかりきになっても、一人の力はしれています。当然、多くの人たちの協力が必要になるのですが、基本的には人は変化を嫌います。

しかし、たった5文字の「ありがとう」を口にすると、場の緊張が解けていきます。「大変だけど、やってみよう」という声が聞こえてきます。変革のいまだからこそ「ありがとう」が飛び交う企業文化をつくりましょう。

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