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意志を持って企業文化をつくり上げる

似ているようで異なる「文化」と「社風」

僕が代表を務める(株)クエストリーでは、「企業文化」をミッションの一つとして位置付け、その確立の支援をしています。「文化」に似ている言葉に「社風」があります。確立の前に、この文化と社風の違いを整理します。

社風とは社員や関わる人が無意識のうちに感じている雰囲気や特徴のことです。社風は社員同士の関係や仕事の環境などから自然に醸し出されます。自然に醸し出されるのですから、どの会社にも社風は存在します。

例えば、「明るいよね」「のんびりしているなあ」「お堅いわあ」「暗めイメージだね」などのように、感情や情緒で語られます。感情や情緒のコントロールが難しいように、社風も変えようとしても思うようにはいきません。

文化とは社員が共有している価値観や行動の在り方

それでは文化とは何でしょうか。それは社員が共有している「価値観や行動の在り方」を指します。社風と違い、意志を持ってつくり上げるのが文化の特徴です。在り方は行動に編集・翻訳されて統一のスケールとなります。

サントリーには「やってみなはれ」、ホンダには「ものまねするな」、ヤマト運輸には「サービスが先、利益が後」、六花亭には「仕事も遊びも一生懸命!」という文化があり、それが社内に根付いています。

(株)クエストリーでは文化のことを、企業精神(創業時に精神にしたのでこれで通していますが、文化と同義語です)と呼んでいますが、「ユーモアと好奇心と遊び心を忘れずに」がそうです。これ結構気に入っています。

何かあったときにとっさに出てくる口癖のような言葉

複雑化する社会の中で、多様な人たちとともに、一つのことを実現するのが仕事です。当然、いい時ばかりではなく、どうしようもない時もありますよね。そんなときにとっさに出てくる言葉に文化は潜んでいます。

つまり、先ほどの事例でもわかるように、文化の源は社内の口癖です。とくに、迷ったり、ピンチのときにとっさに出てくる言葉が文化を象徴しています。僕らはこれらの口癖から企業に息づいている文化を紐解いていきます。

気分や雰囲気は常に変化しますが、意志を持ってつくり上げたものは強いですね。時間をかけて、周囲を感化し、行動に染み込み、社内に根付きます。太いものも細いものも含めて、根っこになってこそ、本物の企業文化です。

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