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野口恒生
2019年7月3日 16:25
涼しい目もと という表現の適格さを あなたに逢って 初めて知った 翳つくる長い睫毛 見つめられるたび 風が渡る僕の草原 見晴るかす遥か うねる波 緑の光がきらめいて どこまでも続く
2019年8月17日 22:24
浴衣姿のあなたの うなじや後れ毛が 清潔で 色っぽい
2019年8月18日 06:20
ねむりから いまさめた きみの やさしい しろい はだか あわい ブルーの タオルケットに つつまれて
翻るフレア・スカート 抑える指 寄せる波 かえし かきあげる髪
2019年8月18日 06:21
絨毯敷きで 天窓からは陽も注ぐ 明るく広い階段 踊り場にはオリジナルのリトグラフ 一人っ子で育った彼女 今は両親の遺産を継いで 悠々自適 時おり天気の良い日には ソックスだけの裸になって お気に入りの階段でぼんやりする 淋しさに泣き笑いしてた幼い頃が 愛しさに包まれる
kitchenに下着姿のまま立って あなたが葡萄を洗う
2019年8月18日 06:22
虫歯は1本も無い 歯科に掛かったことは 子供の頃のC―1 1回しかない、と 無邪気に口を開ける 衛生士の彼女 口許も唇も覗く白い歯も 健康的で色っぽくて 白い歯と打つかったとき 高い音がした
フックを外し ジッパーを下ろし 抜き取るものは抜き取り 滑るものは滑らせ 一過の青空のように 澄んでかがやく あなたの身体 ただ ピアスだけ着けて
違反して 一方通行の道を 僕の手が北上 彼女に切符を切られてしまう
遠景の淡い色調のなかに あなたは立っている 黄水仙のように裸で 摘む人が誰かあるものか 届かぬ花のあなたを
人気だった美術展 ポストカードを買おうと 販売コーナーに寄ると 女性が多く詰め掛けていた 並んで待って漸く カウンター手前まで来た頃には 熱気で列も溶け 「知性」も「教養」もなんの いち早く買おうとヒッシ 横からお尻は割り込む 背中に胸は当たる 異性を意に介さない 販売する内側でも狭いなか 研修の一環なのか女性たちが お釣り銭に、ポスター補充にと 不慣れにしゃがんだり
2019年8月18日 06:24
ブラウスを 綺麗に隆起させている あなたの胸 その押し上げられて 高い先端部では 素材のシルクが 心なしか 薄く感じられる