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[エッセイお仕事小説]銀座東洋物語。

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ホテルは幸せな仕事。二十代半ばで転職し続けたどり着いたホテルは働く人も泊まる人も幸せなホテルだった。著者が経験した仕事をエッセンスに、小説風にまとめました。昭和の仕事の仕方はこん…
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銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

 想像してみてほしい。主たる世界の都市の華やかな表通りのそばに一流と呼ばれるホテルがある。そのホテルは、国賓を迎えたり、国際的スターが宿泊したり、我が家のように滞在中使う。途中、各地を飛び回ることがあっても滞在中のハブとして確保され、その間荷物を保管したり郵便物や品物の送り先になったりする。

 銀座東洋は日本一のショッピング通に面していた。河童橋や浅草といった江戸指物や調理道具の問屋街にも近かっ

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銀座東洋物語。1

銀座東洋物語。1

 そのホテルは銀座の一丁目一角に高速道路の高架に寄りかかるように立ち、十三階建ての細い体からはルービックキューブのように建て込んだ銀座の小さな老舗の店舗たちを上から臨むことができた。どれも小さなビルだったが、それぞれ江戸指物だったり、真珠店だったり、陶器や真鍮店、呉服・・・、さながら日本工芸品のショールームのような店が結集していた。

 イギリスからやってきたGeneral ManagerのMr.

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