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九州1周どうでしょうの旅 ~48時間で九州1075kmドライブ~ 第1夜

 旅行中にバカなことをしたり、アホなことをした経験は、多くの人がもっているはずだ。たとえマイナスな出来事であっても、旅行が終わればそれを笑い話にして、仲間と語り合える。これもまた、旅行の素敵な一面のように感じる。
 しかし、「旅行全体」がアホな旅行は、経験者が限られてくると思う。一般的な旅行のイメージは、事前に旅行先の下調べをして、自分たちが行きたい場所へ行き、食べたいご飯に舌鼓を打つ。おそらく大きな反論はないだろう。
 これから話していく幼馴染四人の旅行は、そのイメージに当てはめれば実に異質である。行き当たりばったり、行く場所は制限され、好きなご飯も食べられない。これだけ聞くと、あまり楽しくなさそうと思われても仕方がない。



 ただ、この旅行はすこぶる楽しかった。理由ははっきりしないけど。



 本題に入る前に、一つ紹介しておかなければならないテレビ番組がある。

 水曜どうでしょう

 北海道のテレビで放送が開始され、いまや全国に知れ渡りファンを量産している伝説の深夜番組である。この番組の魅力や内容について語ってしまうと、優に100万字を超えてしまうことが簡単に予想できてしまうため、詳細は割愛させていただくが、非常に面白い。おそらく、これほど面白くてくだらない旅番組は、後にも先にも「どうでしょう」を超えるものはないと断言できる。皆さんにも、心が疲れた時にぜひ観ていただきたい作品だ。
(お住まいの地域の番組表をチェック!今すぐ観たい方は、HTB北海道オンデマンドから購入をお願いします。検索したらNetflixでも観れるみたいですね。気に入った方は、何度も見返すことができるDVDを買いましょう!)

 その神番組の企画の一つに、「サイコロの旅」という変態企画がある。ものすごくざっくりと内容を説明すると、

最終目的地「札幌」を目指し、そこまでに経由する6つの目的地を用意する

サイコロを振る

出た目の目的地に移動する

目的地に到着すると、観光せずに次のサイコロを振る

次の目的地に移動する

 以上。

 馬鹿だと思うでしょう?
 そうなんです、彼らは馬鹿なんです(褒めてます)。

 移動しかしないんですよ?移動したら移動ですよ?最高に狂ってる。

 それにも関わらず、番組が面白くなるのが不思議でたまらない。面白くなる原因の一つに、「大泉さんや鈴井さんが出すサイコロの目が神がかっている」ことが挙げられる。この二人、出すのだ。すごい目を、すごい目的地を。


 さて、前置きが千字を超えてしまったため、そろそろ旅行の話を始めよう。この旅に登場する四人は、水曜どうでしょうの出演者になぞらえて呼ばせていただく。
 天然パーマでいじられ役の友人Aを「大泉」
 いつも大泉をいじっている友人Bを「藤村」
 二人の間で笑うことが多い友人Cを「ミスター(鈴井)」
 三人の様子を眺めながら笑う私は「嬉野」

 では、どうぞ。







嬉「大泉に内緒で、ある企画を提案したいのだが、よろしい?」

 ある日の嬉野の発言から、この物語は始まった。
 もともとミスターと嬉野の大学卒業旅行として、四人で九州を旅行することは決まっていた。中学のクラスメイトであり、高校からはそれぞれ異なる道に進んでいるにも関わらず、時間を作っては何度も旅行をともにしてきた間柄だ。この提案は二人には却下されない、大泉にも怒られない確信を、嬉野は持っていた。

嬉「たぶんこのメンツは皆どうでしょう好きだから、前にも北海道カントリーサインの旅の案も出たけど、結局なしになったじゃん。それが残念だったから、今度の旅行で何かやりたいなー、と思いまして」


注:北海道212市町村カントリーサインの旅



「北海道の各市町村にあるカントリーサインが印刷されたカードを引く」

「実際にその市町村に向かう」

「現地のカントリーサインの前で再び抽選を行う」


 以上を繰り返し、道内を回るという企画。北海道は広く、道南から道北へ移動するとなるととんでもない。サイコロの旅レベルにアホな企画です。
 ちなみに、札幌市のカントリーサインはこんな感じ。

札幌市 カントリーサイン

 他のカントリーサインはどんなやねん、という方は、下のサイトに足を運んでみてください。結構面白いですよ。


嬉「でもサイコロの旅とかは、予算的にも時間的にも厳しいから、道中の食事を大泉のサイコロで決めるのはどうかなー、と」

鈴「やるかー!」

藤「6の目はマクドナルドだな」

 いや、誰も反対しないんかい。予想通りで嬉しいけど。

 ちなみに、そもそもこの九州旅行自体も、3泊4日で九州を一周しようという、実に乱暴な計画である。ぐるっと左回りに移動することしかほぼ決まっていない。きちんと九州各県それぞれを楽しもうとするなら、最低でも一週間は必要だろう。そんな旅行にこんな企画を追加しようというのだから、この三人は控えめに言って頭がおかしい。

 こうして、大泉に内緒のまま、サイコロの旅をオマージュした企画が、水面下で動き始めたのであった……。
(今考えると、ほぼ韓国食い道楽サイコロの旅と似ていましたね)






藤「初日の夜は、こんなんでどう?」

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 いやいや、仕事早いな藤村君。
 そして、6の目だけでなく5の目も外れ枠とは、なかなか鬼畜だな藤村君。



【次回予告】
 ほぼ説明で終わってしまった第1夜、果たして第2夜で旅は始まるのか?
 大泉はいつこの企画を知らされるのか?企画を知った大泉の反応とは?

 乞うご期待!
 

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