韓流アイドルと日本のアイドルを比べてもなぁ

 というわけで、Twitterにも少し書きましたけど、著名な評論家や音楽関係者が、韓流アイドルと日本のアイドルを比べて、人によっては「秋元アイドルのせいで日本の音楽は世界に評価されない」なんてなことまで言いだしていた矢先に、BTSのグループ活動休止ですわ。まあ、今頃どんな顔をしているのか知りませんが、簡単に比較するのは辞めておくべきですね。発言に責任が重くなる評論家であるならなおさらね。

 ま、他人をバカにするのが目的ではないので、先に進めますが、某ニュース番組でBTSの件に絡めて、韓流アイドルの実態というものが見えてきました。といっても、知っている人は知っている話なんですけど、ようするに、選ばれた子供たちに英才教育を施して、歌もダンスも「プロ」として完成させてからデビューするシステムなんですよね。しかも、驚いたのは、BTSのような男性グループですら、20代半ばになっても同じ家で暮らしているという徹底管理。
 そりゃテクニックとかスキルは磨かれるはずですよ。
 日本は指摘されているように、ド素人でも、潜在能力を引き出して成長させていく過程を楽しめるように設計されていますからね。そこにはどうしたって差は出てくる。

 でも、個人的にはそれはいいんです。別にAKBや坂道を国家戦略として世界に通用するようになってほしいとは思っていませんからね。スムーズに活動ができる程度には売れて欲しいですけど、MSGで大規模ライブするよりはホールクラスの箱でアンダーライブやってくれるほうが嬉しい(チケットが手に入ればですけど)。

 ただ、「アイドル」の定義が「プロ野球」と「高校野球」の違いがあることを大前提として、問題は、アイドルがプロに……生駒里奈さんの言葉を借りるなら「本物」になることが、アイドルファンからは評価されない、少なくともされにくいということは少し問題だと思います。

 乃木坂はいいですよ。グループ結成時からそのことを念頭において、舞台という場所で磨かれているんで、卒業後、プロの女優として成功している子は多いですから。能條愛未さんとか井上小百合さん、桜井玲香さんなどは舞台ファンからも認められているし、深川麻衣さん、西野七瀬さん、伊藤万理華さんなどは映像のほうでも結果をだしているから。
 また、演技だけではなく、メンバー一人一人の指向性や可能性を何度も何度も面談して、声優・知性派タレント・万能タレントとしての土台をグループ在籍時から作っているから。

 でも、AKBGはどうでしょう?
 もちろん、前田さん、大島さん、川栄さんなど成功している人はいますけど、確率的にはかなり低くないですか?
 結局、アイドル時代のイメージを押し付けられて、卒業後思うように活動できず、苦しんでいる子、めっちゃ多いと思うんです。
 新人女優なのに、アイドルキャリアはあるから、そこで壁を感じてしまうケースが多い、多すぎるように思います。
 これは、グループとメンバーの所属するプロダクションが別会社ですから、その兼ね合いもあって難しいんでしょうけどね。

 私の個人的な提案なんですが、「アイドル」という存在と「プロ」という存在の間に、もう一つ受け皿的なものができないかと感じています。
 といっても、それはシステムとか器とかではなく、ファンのマインドとして……。


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